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浜田宏一VSフジマキ

2013年02月05日

浜田宏一VSフジマキ

 先週発売の週刊文春に誌上対談が掲載されています。

 浜田氏はもちろん安倍内閣の官房参与で、フジマキ氏は「伝説のトレーダー」と言われた元モルガン銀行東京支店長の藤巻健史氏です。

 つまり典型的な「学者」VS「トレーダー」対談だったので、思わず買ってしまいました。

 浜田氏は持論の(というより常識論の)「金融緩和を続ければ単純に円の価値が下がり、株価が上昇し経済が回復する」を繰り返されていました。確かにその通りになっているので「なんで今まで白川君(教え子の日銀総裁)は、そのようにしなかったのか?」と思われているのでしょうね。
  
 フジマキ氏のポイントは、「日銀はすでに十分に緩和しており、それ以上の緩和はインフレを加速し、日銀はコントロールできなくなる」と「インフレが加速すると、国民が預金を下ろして株や土地や外債を買うため、銀行は国債を引き受けられなくなる」です。

 結果としてハイパーインフレが起こり、国債利回りが暴騰し(価格は暴落し)、株価も暴落して、経済が破たんするので、唯一の対抗策が「預金を引き出してドル資産を持つこと」と主張されています。

 同じトレーダーとして断言しておきますが、これはフジマキ氏の「ポジショントーク」です。多分、円を借り入れてドル預金でもされているのでしょう。

 お断りしておきますが、本誌はフジマキ氏の主張には一応耳を傾けることにしており、「ある程度」信頼している数少ない日本人です。だから決して揶揄しているのではなく、少なくともその論理構成は真面目に検証しようと思うのです。
 
 結論は「いささか不純」でも、トレーダーとしての目のつけどころは参考になるからです。

 まず「日銀はすでに十分に緩和している」は、その通りです。しかし「それ以上の緩和はインフレを加速し、日銀がコントロールできなくなる」は間違いです。

 日銀の当座預金残高は直近(1月31日現在)で43.7兆円あるのですが、それに見合う資産は1年未満の短期国債と残存年数が1~3年(実際は1~2年が大半)の短い国債だけです。

 つまり、いつでも金融緩和を終了して当座預金残高をゼロ近辺にできるのです。尤も実際には円滑な金融運営のためには10兆円ほど残しておく必要があります。1月23日付け「したたかな日本銀行の追加金融緩和」などに書いてあります。

 ハイパーインフレーションとは、最近のジンバブエでもそうだったのですが、戦争や政変で国内の生産がほとんどゼロになった時に、紙幣を大量に刷るので起こるのです。通常の経済下では、仮に紙幣を2倍にして配ったとしても物価は最大2倍になるだけです。

 実際には、その紙幣を貯蓄したり、製品価格の値上がりで生産を増やすため、2倍にもなりません。

 しかしフジマキ氏の「ポジショントーク」にもかかわらず、仮に金融緩和が行き過ぎてインフレが加速し、「それをコントロールできなくなる」リスクがあるのは、日本銀行ではなくFRBの方です。

 つまり、フジマキ氏のシナリオで通貨が暴落するリスクは、実は円よりもドルの方が、はるかに大きいのです。

 同じく1月31日現在のFRBのバランスシートには、負債勘定に1兆1563億ドルの通貨と、1兆6449億ドルの準備残高(Reserve Balances)があります。この準備残高は日銀の当座預金残高とほぼ同じなのですが、なんと153兆円もあるのです。

 問題はこれに見合うFRBの資産は、米国国債が1兆7100億ドル、MBSが9657億ドルなのですが、米国国債はほとんどが残存年数30年までの長期債で、MBSも長期債でさらに流動性が落ちます。

 つまりインフレ懸念が出てきても、FRBは簡単に金融緩和を終了して準備残高を減らすことができません。長期の国債やMBSは大量に市場に売却出来ないからです。

 そしてその時に起こるのは、円安ではなくてドル安なのです

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コメント
私もフジマキさんは大好きなのですが、彼は10年以上前から国債暴落、円暴落のポジショントークをしてます。(たしかハワイの不動産を持っていたはず)
彼の言うとおり投資していたらあっという間に資産がなくなっていたかもしれませんね。でもいつかはそのような破局的なときがやってくるとは思っていますが、いつかは分からないというのが投資家としては悩みどころだと思います。


ということは
ドルに対する相対的な円安をキープするためには
日銀はもっと金融緩和をしても
大丈夫ということですか?

>インフレ懸念が出てきても、FRBは簡単に金融緩和を終了して準備残高を減らすことができません。長期の国債やMBSは大量に市場に売却出来ないからです。

 そしてその時に起こるのは、円安ではなくてドル安なのです
インフレが明確的に国内で起こるとしたらベトナム戦争級のレベルの時くらいでしょうか!?
正直それくらいしかない気がします。
インフレ(通貨の暴落)が止められなくなる可能性よりも、国債の暴落(金利上昇)の可能性の方が高そうに思えますけどね。
まぁ結果は大差ありませんが。

円からの逃避(国債売り資産買い)→国債に連動した様々な円建債券価格の下落→銀行の含み損(自己資本の毀損)→資産(国債等の債券)売却の加速→スパイラル
といった動きを想定しているのではないでしょうかね。
実際にはサブプライムでやったように会計ルール(倫理)を捻じ曲げてでも策は打つとは思いますが、あまり中央銀行の力を過信しない方がいいと思いますよ。
日銀が歴史上類を見ない金融緩和を長年続けてきてもこの現状なのですから。
インフレターゲット2.0%は無理としても、プラス1.0%になれば10年国債が0.7とか0.8%でいられる訳がありません。上昇して当然ですが、今の政治家・マスコミもここぞとばかり批判しそうで、事前にガス抜きの必要がありそうですね。
金融緩和下の金融機能の正常化とは、物価上昇率1.0%で市場金利が仮に2.0%になる時に1.8とか1.7%にしていることと知るべきです。
狼中年
毎年予想を外し続ける藤巻の本。どうして本が売れるのか?ほんとに不思議。
国債は限月があるので、ファンドの売り崩しはかなりハードルが高い。又、長期金利が3%を越えたら大変だ!なんて言ってますが、発行した年月により金利はバラバラ。国債の総額×3%が金利ではありません。ポジショントークと取られても仕方ありませんね。
伝説のトレーダーとかいってるけど時代がよかっただけの人だと思う。毎年毎年間違った予想ばっかり。
ポジショントークばっかりで信用に足らない人物だと思う。
伝説のトレーダーって言っても、経済全体に精通していないだろう。藤巻とか野口悠紀雄は単に煽って、自分の著書を売れやすくしているだけなんだよ。
日本政府は毎年180兆円の国債を借換えてんだわ。金利3%なんてことになったら利払いで税収が消えますw
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