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1971年の昭和天皇・ニクソン大統領のアンカレッジ会談でわかったこと

2013年03月08日

1971年の昭和天皇・ニクソン大統領のアンカレッジ会談でわかったこと

 民主党政権の数少ない功績の1つに、外交文書を含む政府の機密文書を作成から30年経過後に原則公開することを2010年に制度化したことがあります。それまでは政府や各省庁にとって都合の悪い文書は、永遠に公開されていませんでした。

 その新制度により公開された外交文書のなかに、昭和天皇が欧州歴訪に出発された1971年9月26日に、給油のために立ち寄ったアンカレッジ空港にニクソン大統領(当時)が訪れて行われた数十分間の会談についてのものがありました。

 米国政府からの申し入れだったのですが、それに対して福田赳夫外相(当時)が「わが方としては迷惑千万である」と不満を伝えるように指示していたと報道されています。

 福田外相の「迷惑千万」発言の意味は後ほど解説することにして、この時期の日米関係を振り返っておきます。

 まず1971年6月17日に沖縄返還協定が締結され、翌1972年5月15日に正式に沖縄の施政権が返還されます。しかしこれ以外の日米関係は、非常に微妙な時期でした。

 ニクソン大統領は同年7月15日に「電撃的な訪中」を発表していました。日本政府には一切の事前相談がなく、実際に翌1972年2月21日に訪中します。

 またニクソン大統領は同年8月15日に突然「金ドル交換停止」と「10%の輸入課徴金」を発表していました。これも事前相談などはなく、世界の通貨体制が変動相場制に移行するきっかけになり、日本経済を果てしなく痛めつける円高の始まりでした。

 また通商問題では、米国政府は3年越しに日本政府に、繊維製品の対米輸出自主規制を強行に申し入れていました。

 実際に米国政府から日本政府にアンカレッジ空港での会談が打診されたのは、同年8月20日頃だったようです。つまり歴史的な「金ドル交換停止」の数日後でした。

 この時点のニクソン大統領及びその周辺の人物(キッシンジャー補佐官など)の真意を測ることは難しいのですが、最も考えられることは既に訪問を発表していた中国政府に対して、日本政府を出すことによって一定に牽制を行っておくことだったように思えます。

 逆に言えば中国訪問に対する米国国民の警戒心を、多少なりとも和らげることもあったはずです。ニクソンにとって再選となる大統領選挙は翌1972年の11月に迫っていました。

 確かにニクソン大統領は昭和天皇を政治的に利用しようとしたのですが、日本政府にしてみれば米国大統領を最北端のアンカレッジまで「呼びつける」意義は、小さくなかったはずです。

 それを「迷惑千万」としてしまったのです。日本政府とすれば、天皇陛下の政治利用は避けなければならないということだったのでしょうが、そうだとしても「迷惑千万」という発言にはならないはずです。

 結果的にアンカレッジ会談は実現しました。驚いたことに、その時の模様がネットにアップされています(音声なし)。あの尊大なニクソン大統領が、昭和天皇のとなりで「心なしか」小さくなっています。

 そして1975年には昭和天皇のご訪米も実現しました。このご訪米時、再選されたニクソン大統領はウォーターゲート事件で辞任しており、フォード大統領がホストを務めました。

 当時の写真を見ると、フォード大統領は最高位の国賓を迎える白ネクタイの燕尾服姿です。この待遇で迎えられるのは、日本の天皇とエリザベス女王とローマ法王だけのはずです。

 また2009年11月に来日したオバマ大統領も、今上天皇の前で深々とお辞儀をしている写真もあります。

 これは日本の天皇陛下が米国大統領より格上であることを、米国大統領の方が自然に理解しているからです。日本人は、終戦直後にマッカーサーが昭和天皇の後ろで踏ん反り返っている写真の印象が強いと思いますが、これは占領統治を成功させるためのジェスチャーだったと言えます。

 いろいろと考えさせられる「迷惑千万」発言でした。

 本日は金融市場について書くつもりだったのですが、どうしてもこちらを書きたかったので変更しました。

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コメント
いつもながら、参照リンクを貼りませんね。Web上の記事等への言及でリンクを貼らないことは、不正確な引用や誤った解釈が発覚しにくくする行為であるかのようにとらえられかねません。改められることを推奨します。
http://www.criticalpast.com/video/65675057408_Nixon-meeting-with-Hirohito_Emperor-Showa_Empress-Kojun_meeting_hat
http://commons.wikimedia.org/wiki/File:Emperor_Sh%C5%8Dwa_and_Nixon_1971.jpg
李明博
米国の天皇に対する配慮は、天皇に謝罪を要求した李明博とは、圧倒的に知力の差が感じられます。
所信表明で日本を千年恨み続けるとのたまった朴大統領も、中国優先のあからさまな侮辱をやってのけました。
明後日から北朝鮮と連合国との停戦協定が破棄されます。
軍事的に即座に対抗不能な日本に北の矛先が向けられ、憲法改正の風潮に拍車がかかり傀儡戦争では済まない事態が起きないことを祈ります。


記事に訂正があります。


×オバマ大統領も、昭和天皇の前で深々とお辞儀をしている写真もあります。

○オバマ大統領も、今上天皇の前で深々とお辞儀をしている写真もあります。


上記の誤りを訂正いたしました。

大変、失礼いたしました。
小生は民族主義者であります。然し 「辛い現実」でも直視する必要は有ると思います。我が祖国日本は第2次大戦の完全敗戦(終戦などという言葉で誤魔化すのは嫌です)以降 敗戦国として ずっと米国大親分の走狗のポチなんです。経済復興して経済力はそれなりについては来ましたがーー。だから 天皇陛下の政治利用だって、沖縄の基地問題だって 核兵器の持ち込みだって敗戦国なんだから 仕方ないんです。それを 時の政府が 国民に「ええかっこし」をして 本当の実体を隠すから 種々の矛盾が出て来るんです。
最近では ルーピー宇宙人某首相などは その実体を把握認識していないからおかしくなりました。政治的に賢い米国が 実体ポチの敗戦国日本を上手く持ち上げて パートナーと呼び、白の燕尾服の最高礼装でおだて上げてるだけだと思います。そんな事で 喜んでも仕方ないと思いますがーー
とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!
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