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昨年の衆議院選挙の無効判決が続く

2013年03月27日

昨年の衆議院選挙の無効判決が続く

 3月25日に広島高等裁判所(筏津・いかだつ・順子裁判長)が、昨年12月の衆議院選で小選挙区の区割りを「違憲」と判断し、広島1、2区の選挙を「無効」としました。

 「無効」の効力は8か月後の本年11月27日に発生するのですが、1票の格差を理由に国政選挙の無効・(場合によっては)やり直しを命じたのは初めてです。

 判決理由は、2011年3月に最高裁が2009年衆議院選を「違憲状態」と判断しているにもかかわらず、憲法上で求められる合理的な期間内に是正されておらず、憲法に違反しているというものです。

 つまり「最高裁の違憲審査権が軽視されている」なのです。

 さらに本日(3月26日)、広島高裁・岡山支部(片野悟好裁判長)でも同様に「無効」の判決が出ており、今後も続出しそうな雰囲気です。特に本日の広島高裁・岡山支部の判決は、猶予期間なしの「即座に無効」となっています。

 今後は、全国の高裁で行われている同様の裁判結果を最高裁がとりまとめ(被告である選挙管理委員会が必ず上告するからです)、大法廷で審議して判断することになります。今回は昨年12月の衆議院選挙が「無効」であったかどうかの判断に踏み込まざるを得なくなりました。

 ちょうど3月15日付け「コネクション マフィアたちの法廷」で、国策裁判や行政裁判で「勇気ある判決」が出ることは無いと書いたのですが、これは確かに「勇気ある判決」のように見えます。

 しかし筏津裁判長や片野裁判長が、松川事件の門田裁判長のように家庭裁判所に「大左遷」されることは絶対にありません。

 司法そのものが、立法や行政に対して「軽視」されていると言っているだけで、あくまでも官僚間の(判事も立派な官僚です)勢力争いなのです。つまり司法界にとっては、筏津裁判長はヒーローであり、さっそく追随する裁判長が現れたのです。

 官僚は、官僚間の勢力争いには大変な労力を費やすのですが、官僚VS国民となると、全官僚は圧倒的な連帯感を発揮するものです。

 従って国民が突然に狙われる国策裁判や、国や官庁が被告になる行政裁判で「勇気ある判決」が出ることは、今後もありません。それこそ「大左遷」されてしまうからです。

 ここで「大左遷」を決定する、というより「勇気ある判決」が出ないようにしっかりと監視しているのが最高裁事務総局という、決して外部から伺い知れない機関です。

 せっかくですので、現行の選挙制度について考えます。

 そもそも1票格差が拡大するのは、各都道府県に最初の1議席を割り振る「1人別枠方式」だからです。これも「違憲」と判断されているのですが、むしろ自然な考え方のような気がします。

 選挙制度とは、衆議院と参議院を合わせて最も民意を反映した国民の代表(議員)を選ぶものでなければなりません。しかし衆議院も参議院も、似たような選挙区と比例代表の組み合わせで、結果的には2世(親族)とタレントが有利になり、各候補者の主張より「時の世論」が極端に増幅される結果となります。

 その中で、原告の弁護士団も「1票の格差」という多分にテクニカルな部分だけをとらえており、国民のために最も好ましい選挙制度を模索しているものでもありません。

 筏津裁判長の書いた判決文を読んでも、この選挙制度がどのように国民の利益を損なっており、どう国民の利益を回復するべきかとの観点が「すっぽり」と抜け落ちています。

 つまり国民の生活から遊離した、官僚間の(それに一部の原告弁護士団を加えた)争いに過ぎないのです。

 本日は「キプロス支援とりあえず合意」「オリンパス元社長らに求刑」「西武HD、TOBに反対表明」「クロニクルに課徴金納付勧告」「KKRがインテリジェンスで利益」「シャープ、鴻海の出資が白紙」「デルMBOに対抗案」など、書きたい話題が山盛りだったのですが、今後出来るだけ取り上げていきます。


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コメント
「1人別枠方式」のメリットとは何でしょうか。区割りし直すのが大変という程度で、メリットがない気がします。
「1人別枠方式」を「自然な考え方」とういのが
例えば、衆議院は人口で議席を振り分け都市部議員を多くし、参議院は面積で議席を振り分けることで地方議員を多くする、というのであれば、「衆議院と参議院を合わせて」民意を反映した選挙制度かもしれませんが、
どちらも地方の票の比重が重くなっているので、「1人別枠方式」が、国民にとって好ましい選挙制度に貢献しているとは思えません
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