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国債先物取引について

2013年04月09日

国債先物取引について

 本日は、かなりテクニカルな話になってしまいます。

 4月5日付け「マネタリーベースと長期国債」の最後に、「国債先物価格も(金融緩和の発表のあった4月4日の)夜間取引で146円30銭台となっていますが、これはまだまだ割安で大幅な水準訂正があるはずです」と書いたのですが、この意味はどういうことか? とのコメントを頂きました。

 これは国債の現物市場に比べて先物価格が割安だという意味で、国債市場そのものが割安だという意味ではありません。

 国債先物の現在の中心限月は6月限で、受渡最終日である2013年6月20日の7営業日前が最終売買日です。その時点で反対決済されていない建玉は受渡決済となります。

 実際には未決済建玉の大半が、次の限月にロールオーバーされるのですが、それでも6月限の建玉は10.8兆円(4月5日現在)もあります。

 この受渡決済の適格銘柄は、最終受渡日(6月20日)に残存年数が7年以上の10年国債(つまり最長が10年)に限定されます。

 これは(少なくとも理論的には)国債先物価格は、常にこの受渡適格銘柄の「少なくとも1銘柄」に連動し、国債現物市場から「かけ離れた」価格にならないように設計されています。

 ところが国債先物取引が1985年10月19日にスタートして以来、ずっと利率6%・10年債(実際は先の限月まで取引されているのでもう少し長い)を想定して取引しています。

 先物取引のスタート当時は、10年国債の利率が6%以上だったので問題がなかったのですが、最近発行された10年国債の利率は0.6%です。従って国債先物価格も144円~146円と、とても債券の価格とは思えない水準になってしまっています。

 この弊害はただ1つ、受渡の適格銘柄の中で一番短い7年国債だけが国債先物価格に連動し、それよりも長い国債価格に対しては「かけ離れて割安」になることです。つまり10年国債先物ではなく、7年国債先物になってしまっているのです。

 本日(4月8日)午後3時現在、残存7年国債(1.3%、2020年6月20日償還)の価格が106.51(利回り0.37%)で受渡決済の交換比率が0.734542なので、同時点の国債先物価の144.36を掛けると106.04となり、(それでも平常時より差が大きいのですが)だいたい連動しています。

 ところが10年国債(0.6%、2023年3月20日償還)の価格が100.80(利回り0.51%)で交換比率が0.605716なので、先物価格に掛けると87.44にしかなりません。つまり全く連動していません。

 細かい説明は省きますが、国債先物価格が100に近いと、このようなことは起こりません。東証は国債先物の新しい限月取引が始まる時に、2%程度の想定利率にしておけばよかっただけなのです。

 つまり10.8兆円も建玉のある国債先物取引は、発行額は2兆円ほどしかない7年国債だけに連動しており、それよりも長い国債すべてに対し「かけ離れて割安」のまま取引されているのです。

 実は4月4日の日銀発表までは、買入れる国債の残存年数を、それまでの3年までから5~7年に延ばすだけだと思っており、そうすると5~7年国債の利回りも3年国債並みに0.1%まで低下すると予想していました。

 そうなると国債先物価格に唯一連動している7年国債の価格が急騰し、結果的に国債先物価格も急騰するはずでした。10兆円以上の建玉がある巨大な先物価格が急騰すると、いろいろと混乱が起きます。

 しかし発表された内容は、40年までのすべての国債を買入れる内容だったので、5~7年国債の利回りが上昇してしまい、国債先物価格も(ちょうど冒頭の記事を書いたころの)146.44をピークに下落してしまいました。

 しかし今後も国債市場の乱高下は続くと思われ、全体の利回り水準が低いことは間違いないため、唯一のヘッジ手段として国債先物市場はもっと活用されるはずです。

 つまり国債先物価格の割安な状態は続くことになり、やっぱりどこかで(国債利回りのこれ以上の低下は無くても)水準訂正が起こりそうな気がしています。


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コメント
なにか誤解されてるようですね。
計算はあってますが、それは「かけ離れて割安」と言う意味ではありません。
7年債に比べて10年債が金利ヘッジしきれてないだけです。
 この記事は紙面の関係で省略した部分が多く、やや中途半端な記事になってしまいました。
近々、続編を書きますので、またコメントして下さい。
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