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官制本「アベノミクスの真実」の不都合な真実 番外編

2013年05月03日

官制本「アベノミクスの真実」の不都合な真実 番外編

 大型連休の後半に入ったのですが、今週の同題の記事に対していくつかコメントを頂いており、説明不足のところもありましたので番外編を書きます。

 まず「日銀は当座預金で国債を買入れているわけではない」とのご指摘ですが、正確には日銀は国債を買入れた代金を(支払わずに)預かっていることになります。しかし日銀のバランスシートにおける意味は同じで、レバレッジがかかった状態といえます。

 従来の日銀は、緩和目的では3年以下(2012年4月までは2年以下)の国債だけを買入れていたので、その国債は比較的短期間で償還になってしまうので、その買入れ代金を(支払わずに)預かったままでもそれほど問題では無かったと思います。

 しかし現在は40年債までの長い国債も大量に買入れるため、「長い国債が償還になるまでレバレッジ状態を長期間維持する」か「長い国債を市中に売却してレバレッジを落とす」必要が将来的に出てきます。

 「だから何を懸念しているのか? 国債は自国で消化されているではないか?」とのご指摘に対してですが、懸念しているのは国債の発行残高の増加や、格下げ、国内の消化能力ではありません。もちろんインフレも(一部資産価格のミニバブルを除けば)、目標の2%すら難しいと思っています。

 懸念しているのは、円を発行する日銀のバランスシートが劣化することによる「円の信認の国際的低下」です。円の信認の低下は、結果的に日本の国際的信用を低下させます。

 日本に残された数少ない武器は「世界的に最も健全な日銀のバランスシート」と「一応確保されている独立性」を裏付けにした「円の信用力」だったはずです。それを自ら放棄してしまう弊害は非常に大きいと思うのです。

 「円の信用力」と「通貨としての円の強さ(つまり円高)」は全く違います。「ドルの信用力」と「通貨としてのドルの強さ」が全く関係ないことと同じです。

ドルはいくら値下がりしても「世界中で何の疑いもなく受け取られて」おり、そしてその結果として米国国債も「世界中で何の疑いもなく保有されて」います。これがドルの基軸通貨としての特権です。

 これもコメント頂いている通りで「日銀のバランスシート」と「日本の財政バランスシート」と「日本全体のバラスシート」は全く別のものです。

 現時点では「日銀のバランスシート」が最重要と考えます。「日銀のバランスシート」を良好に保っておけば、国際金融市場における「円の信用力」を背景に「円の役割」が向上し、ドルが享受している基軸通貨としての特権を部分的にも肩代わりできるかも知れないからです。

 「基軸通貨」とは、まさに国際的に「何の疑いもなく受け取られ、保有され、運用される通貨」という意味で、最後の「運用される」の手段が国債で、円が部分的にも基軸通貨となれば、自動的に海外の日本国債の保有が増えることになります。

 1000兆円もある日本国債の残高が簡単に減るはずがなく、近い将来的には日本国債を「ある程度」海外に保有してもらう必要があります。
 
 「国際通貨と基軸通貨は全然違う」とのご指摘も頂いているのですが、文中では両方をほとんど同じ意味に使っています。つまり「円は部分的にも基軸通貨化すべき」と考えています。

 似た言葉で「国際決済通貨」があり、世界中でどの通貨にも交換できるハードカレンシーという意味です。確かに円はスイスフランやカナダドルなどと同じく「国際決済通貨」ですが、国際的に「何の疑いもなく受け取られ、保有され、運用される」基軸通貨ではありません。

 最後に、本誌は総論としては「アベノミクス」に反対しているわけではありません。しかしその弊害も十分に理解しておかなければならないと考えているだけです。

 その最大の弊害とは、日銀のバランスシートの劣化による「円の信認の低下」であり、「円の(部分的にも)基軸通貨化」が遠のいてしまうことです。

 だから日銀の「異次元」金融緩和は、米国政府の意向だと思うのです。


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コメント
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読み途中なので、感想は後ほどまとめますが、P91の11行目の「468兆億円」となっておりますが、「468億円」だと思われます。
次の版では訂正をかけてください。
せっかくの内容が台無しになってしまいます。
やっぱり何が言いたいのか分かりません
円の信認の低下は要するに円が安くなることです。今のように円安が日本経済にとってプラス成長をもたらす期間において、日本経済の成長が国際的な信用力の低下を招くという理屈は理解出来ません。(今、円安=株高です)

経済の発展している国がどうして国際的な経済の信用を失うのでしょうか?。
例えば、中国の経済成長は経済的な国際的信用力を増しこそすれ、失わせているとはいえませんよね。中国の発言力は年々増しています。(軍事力が過度に増しているので日本にとって脅威ですが)

逆にこの日本の15年間、円の信認が高まり続けている間、つまり円高が進み続けている間、日本は国際的にどうなったのでしょうか。欧米からはジャパン・パッシング、中共や朝鮮、ロシアからは領土を捕りにチャレンジを繰り返されるなど、舐められ、あなどられ続けています。当然ですよね、円高によって企業が業績を落とし、株も下がり、税収が落ち、国力が落ちているわけですから。

通貨(円)を過度にありがたがるのがデフレです。貨幣が希少価値を増し、モノよりもカネの価値が高いからデフレです。通貨の信認が大事だという人は、カネが大事と言ってるに過ぎません。GDPというのはお金の回る速度です。カネは使わなければ経済成長しません。デフレ下ではおカネが大事なので、使われません。だから、インフレにするのです。
信認が大事という人は、信認という言葉に騙されているだけでしょう。

因みに、国債残高は減らす必要はこれっぽっちもありません。金額が問題ではなく、経済成長とのバランスです。
国債残高はいずれ千兆どころか、1京円を突破します。10年後かも知れませんし50年後かもしれません。
しかし、経済成長がそれ以上に増加していれば、何の問題もありません。
ごんべえ様

 書籍をご購入していただきまして、ありがとうございます。

 誤植のご指摘、大変申し訳ございませんでした。

 今後はこのようなミスがないように、気を引き締めて対応して参りますので引き続きよろしくお願いいたします。


債務超過
将来金利が上がって、国債の価格が下がり、結果として日銀が債務超過に陥ったら、何が起きまますか? 民間企業なら、債務超過に陥ると、銀行から債務の返済を迫られ、でも返せなければ、倒産してしまいます。日銀の場合はどうなるのでしょうか?
最近の記事に以前からの読者としては混乱しております
闇株新聞さんは、かつては大規模な金融緩和や円安の必要性を述べていました。例えば次のように。
http://yamikabu.blog136.fc2.com/blog-entry-368.html
http://yamikabu.blog136.fc2.com/blog-entry-340.html
最近の闇株新聞さんが書いている円の信認を高めることと、日銀総裁交代前の闇株新聞さんが主張している金融緩和・円安とはまるで逆ですよね。いつの間に転向したのでしょうか。それも誤った方向に。

日銀がやっと金融緩和をして景気が回復する見込みが出てきたら文句ばかり。何を望んでいたのですか?
金融緩和したいけれど円の価値は高めたいの?どうやって?円の価値が高まればデフレは続くし為替も円高になるでしょう?
「円の信認」とか書いているので「価値」と「信認」は違うというかもしれませんね。けれど、通貨の信認とは通貨価値が一定である(または下がらない=価値上昇を含む)ことへの信認のこと。他国は先進国の低インフレから新興国の中インフレまで幅はあれどインフレですから、円の信認が高まれば円の価値は相対的に上がり円高になります。
21世紀の現在、はたして基軸通貨という概念に経済的にどれほどの意味があるか疑問ですが、もし日本円が基軸通貨化するとしたら、それは世界経済が日本を中心に回るようになった時でしょう。日銀のバランスシートの問題ではないと思います。
失望さんへ

重要なポイントなので、近々まとめた記事にしますが、要点だけ書いておきます。

1)思い切った金融緩和には、以前から書いているように大賛成です。
反対しているところは、一気に40年までの長い国債を買い入れることにしたところです。
せいぜい5年までの比較的短い国債に限定して「思い切って」増額すべきでした。
日銀が長い国債ばかりを買い入れる「弊害」を懸念しているのです。
その「弊害」とは、日銀のバランスシートが劣化して、円の信認が低下することです。

2)円の信認が低下することと、円 安は全く違うものです。円安に対しては何も反対していません。
「信認」の意味を詳しく説明していなかったかもしれませんが、円が世界中で喜んで保有されることを言います。
そのメリットは非常に大きく、今後の日本経済にぜひ必要なのです。
そういう意味では世界で一番信認されている通貨はドルですが、ドルは1971年の金交換停止や、
1985年のプラザ合意などで、その価値が下落を続けているのですが、いまだに信認されています。
円はこういう信認を得るべきであり、そのためには発行する日銀のバランスシートを劣化させてはならないと思うのです。
闇株新聞さん、回答ありがとうございました。
1)に関しては、賛同はしませんが、これまでよりは主張の意味を理解しました。
2)に関しては、闇株新聞さんがおっしゃる「信認を得る」を、決済通貨として円利用が広まるという意味であると理解しました。その場合、日銀のバランスシートはあまり関係ないように思います。ハイパーインフレが起きるような場合はともかく、ドルを考えると、年率10%未満のインフレを起こす程度の劣化であれば大した問題ではないように思います。
決済通貨として広まるには、日本経済が世界経済で今後も重要な地位を占めると期待されることが日銀のバランスシートをよくするよりも優先されるでしょう。日本との取引が今後細くなると思われていたら、どこの外国企業が円で取引しようと思うでしょうか。経済と交易の拡大がまず必要です。
その、経済と交易の拡大のために、大胆な金融緩和が必要とされていたことは意見が一致するようですが、残存期間の短い国債の買い入れに限定されていたら、レジーム・チェンジは認識されなかった恐れがあります。通常なら短期のみでも十分でしょうが、過去四半世紀に及ぶ日銀の振る舞いを踏まえれば、短期国債に限った場合は「黒田が日銀守旧派に負けた」「日銀は過去のように緩和をやめる機会を狙っている」と思われたでしょう。去年までの日銀とは違うという明確なメッセージが必要で、そのためには短期国債のみでは不十分だったと考えます。
経済は政治で決まります
アベノミクスがアメリカの意向でもあると看破していながら、なぜ最後の要点まで辿り着かないのでしょうか。非常に疑問です。

経済理論の教科書的視点から傍観者を決め込んだのが白川体制の日銀だったわけです。
なくしてわかるありがたさ~
大胆な金融緩和
日銀の財務体質を心配される闇株さんの趣旨に賛成です。白川さんには批判が集まっていますが、いわば帳簿を預かるしっかり者の町工場の奥さんのように、任期中金融機関の破たんも金融インフレも起こさず、不景気な商売を裏から支えてくれたと思います。まさに、なくして判るありがたさですが、それを旦那が離縁して、実家筋に手を回して批判までさせて、いま、最後の頼みである「信用」を担保に道楽を始めようとしているように見えます。
日本は基本的に資源がなく、無形資産とそれを活用した価値創造で生きていくしかないのに、それを支えるインフラ(教育、企業、家庭など)を一つ一つ破壊しているように見えますが、もっとも基本的で大事なインフラの一つが金融です。日銀を得スケープゴートにした安部さんにその意識があるとはとても見えません。
異次元緩和に関するスタンスで肯定否定が分かれる根拠は
財政の健全性にのみであることが視野狭窄であると言えます。

今の日本は円高でも円安でも弄ばれる側にあり、防戦一方で
長きにわたるデフレを何とか凌いできたのがこれまでです。
守りの戦をやり抜いた白川体制と、このままでいいのかという
黒田体制の新しい戦い方への評価は別物です。

日銀総裁を選任するに当たって安倍総理が国会で公式に
言い放った「国際金融マフィアのインサイダーたり得る人物」
という言葉に、アベノミクスの全てが詰まっていると言っても
過言ではありません。
日銀のバランスシートが最重要?
日銀のバランスシートを気にしてる人なんかいるの?日銀の利益は配当以外は100%国庫に入るわけで、逆にいうと仮に米国債やらETFやらの資産が劣化して日銀が大赤字を出してもその損は全て政府が被るわけです。結局は国債を発行して終わりです。
まるで日銀が大赤字出したら円の信認が低下するかのような書き方してますが、頭大丈夫ですか?そんなの関係あるわけないでしょう。ヘッジファンドにネタにされて多少相場は動くでしょうが。
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