闇株新聞 the book


闇株新聞 the book
発売中です。
よろしくお願いします。

日経平均急落の根本的原因

2013年05月24日

日経平均急落の根本的原因

 本日(5月23日)の日経平均は1143円安の14483円となりました。下げ幅は13年ぶりだそうです。朝方は15942円まで高値を更新していたため、日中高値からの下落幅も1458円にもなってしまいました。

 国債市場は朝方に1%ちょうどまで上昇していたのですが、株の急落で買い戻されて午後5時の時点では0.86%まで低下しました。

 要するに朝方は株高・国債安(利回り上昇)、その後は午後にかけて株急落・国債急上昇(利回り急低下)となったわけです。最近はヘッジファンドが大量に日経平均先物買い・国債先物売りを行っていたので、慌てて反対決済して変動幅を大きくしたこともあるかも知れません。

 日経平均の下落の理由として、FRBのバーナンキ議長が昨日(5月22日)の上下両院合同経済委員会で証言した中に「(FRBによる)債券購入を縮小する」可能性に言及した部分があったからですが、これは「適切な金融政策の推進のためには、資産買入れペースを拡大もしくは縮小する用意がある」と一般論を述べただけです。
 
それでも米国10年国債の利回りは、久々の2.04%まで上昇していました。

 ここでFRBの金融政策とは、仮に何かしらの理由で米国の株式市場が下落したり、特に雇用が悪化したりすると、QE3を(拡大まで行わなくても)継続すると言うサインを送ればよいだけです。

 特にFRBの基本スタンスとは、住宅ローン金利や企業向け貸出金利を含む「長期金利」を低く維持して景気回復を図るために、長期国債やMBS(住宅ローン担保証券)の買入れを続けるというものです。

 つまり景気回復のためにQE3を継続して長期国債やMBSを買入れ、景気回復のきざしがみえてきたらQE3をほんの少しだけ縮小するという「極めて自然な金融政策」を継続すればよいのです。

 それでは日銀はどうでしょう?

 これも日経平均が上昇して景気回復の兆しが見えてくれば、長期金利が少し上昇することは自然であり「喜ばしい」ことのはずです。

 10年国債利回りの1%と言っても、昨年3月中旬に1.05%まで上昇しているので「別に大騒ぎする水準」ではありません。

 因みに昨年3月とは、日銀が昨年2月に「1%の物価上昇の目途」を打ち出し、やはり外国人投資家に評価されて日経平均は10200円台、円が対ドルで1ドル=84円まで「円安」になっていた時です。

 本日朝方は日経平均が16000円に接近し、円も1ドル=103円台となっていたので、10年国債利回りの1%は、まだまだ「十分に低い」と言えるのです。

 それでは何で大騒ぎになるのでしょう?

 それは日本経済を回復させるために(あるいは2%の物価上昇を実現するために)、すでに利回りが十分に低かった長期国債を「異次元」に買入れて、利回りを「さらに低下させる」という強烈なメッセージを市場に送ってしまっていたからです。

 さらに本日、黒田総裁が「国債利回りの上昇に対しては、弾力的な運営で対処する」と言って、実際に2兆円の1年物資金供給と8000億円の国債買入れを行いました。

 これは日銀が「力ずくでも金利(国債利回り)の上昇を止める」と行ってしまったことになり、市場心理への配慮が全く欠如した「唯我独尊」の理論です。ますます国債市場の流動性が少なくなり、価格変動が大きくなってしまうことを意味します。

 それが日経平均急落の原因とは言いませんが、日銀の「異次元」金融緩和に依存し過ぎた経済政策の問題点が、早くも出てきてしまったことになります。

 本誌は「異次元」金融緩和の導入直後から、「異次元」国債買入れには大賛成でしたが、買入れ対象を一気に40年までの長期国債を中心としたことに「強い違和感」を感じていました。

 「異次元」金融緩和の発表直後に書きあげた「闇株新聞 the book」の125頁目にも、「国債市場はちょっとしたきっかけで大きく変動する鉄火場になってしまう予感がする」とはっきりと書いてあります。

 良かったら読んでみてください。


闇株にご賛同頂ける方は下のバナーをクリックをして頂けると助かります。
現在は「株ランキング2位」です。



人気ブログランキングへ

Ads by Google

コメントをする⇒
| Comment:7 | TrackBack:0
関連記事
コメント
異次元金融緩和の問題点は最初に手の内を見せてしまったことですね。
黒田は自分自身に酔っているのでしょう。
急落の反省点
昨日の株式の急落について,人により色々な見方があるのですね!
問題点及び反省点は日本経済再生のためを考慮した時多々有り,先ず一般個人投資家,機関投資家は勿論ようやく株式に対する警戒心を解き参入して来た新たな投資家達に株に対するリーマンショック以来の再度の恐怖心を読み返らせてしまった.これは重大な問題となる.今後投資家の疑心暗鬼が強まり株価が上昇しにくくなる.
円高株安から円安株高になっても、ドルから見たら変わってないんじゃないですか。むしろ円の価値が毀損して。ドルから見た日本国債残高も毀損しますが、ドルで償還するわけでなし。
昨日の急落の分析
中国の指標の悪化,長期金利一時1%,FRBバーナンキ議長発言等あるが,主因はコンピューターの自動的売買ではないか?1秒間に何度も取引を繰り返すHFT(高頻度取引)と機関及び個人投資家の保有する高度の自動プログラム売買(ある下落水準に迫ると自動的に売る)これらの影響が他投資家に恐怖心や疑心暗鬼を及ぼし全員が売りに走る.これらがさらに売りを加速させる.米国等でも過去何回か問題となっているが,未だ完全な解決策は無い.今後もこの問題は再度発生する.
アメリカの意向で円安が進んでるという背景を鑑みれば、見方は色々ありますね。

先日の無断訪朝に対する警告だと思います。

結局、日本が主体的なプレーヤーになれない限り外部要因に振り回され続けるのです。
今回の急落を的確事前に察知した人は皆無で、急落した後に理由を後付けしている人がほとんどです。
素人予想ではありますが、外資の機関投資家の売り仕掛けに、日本人投資家が飲み込まれたような気もします。
CTA(商品投資顧問業者)の利益確定売りが発端となった可能性が大であると分析する.アルゴリズム取引とHFTをフル回転して稼ぎまくり,これらが国内機関投資家や個人投資家に伝播したものと推測する.一般投資家達は疑心暗鬼に落ち入りこれがさらに売りを読んだと考える.すなわちSell in Mayが起こった.CTAがやり過ぎると自分で自分の首を今後占めることとなるかもしれない.アルゴリズム取引は健全な投資市場を破壊し世界経済に貢献しない.しかしなんら改善されない.
コメントの投稿
闇株新聞プレミアム

各種メディアに掲載されている闇株新聞の裏・・・

闇株新聞プレミアム
Ads by google
Ads by Google
最新記事
最新コメント
全記事表示リンク
フェイスブック
カテゴリ
カレンダー
プルダウン 降順 昇順 年別

09月 | 2017年10月 | 11月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -


ブログ内検索
Loading
お問い合わせ

※ページが見れない・表示されないという方はお手数ですが、原因究明のためお使いのOSとブラウザを記述の上お問い合わせ頂けますようお願い致します。

名前:
メール:
件名:
本文:

闇株新聞プレミアム

各種メディアに掲載されている闇株新聞の裏・・・

闇株新聞プレミアム