闇株新聞 the book


闇株新聞 the book
発売中です。
よろしくお願いします。

ソニーの新株予約権付社債・リパッケージ取引で分かったこと

2013年06月12日

ソニーの新株予約権付社債・リパッケージ取引で分かったこと

 本日は「ゼロ回答だった日銀政策決定会合」とか「スプリント買収金額を引き上げたソフトバンク」など書くべきテーマが多かったのですが、「ほかにどこも書かないだろう」との理由でこの話題にしました。

 ソニーは6月20日に株主総会を開催します。そこでエンターテインメント事業の分社化・IPOを提案している米投資会社「サード・ポイント」は、ソニーの6400万株(発行済み株数の約6.3%)を保有する筆頭株主と主張していますが、これは株価連動スワップなど簿外取引を含めた数字であり、実際の議決権では4%弱の株主のようです。

 これは→Bloombergの記事ですが、そこに「こういうスワップや、昨年発行された新株予約権付社債をリパッケージしたGoldman Sachsなどの複雑な取引が、ソニーの株主構成を分かりにくくしている」と書かれています。

 別にサード・ポイントのダニエル・ローブ氏は、多少議決権が少なくてもドンドン攻めてくるはずで、新株予約権付社債のリパッケージも複雑ではないのですが、このリパッケージを行ったGoldman Sachs傘下のSPCが6月4日に提出した大量保有変更報告書から、いろいろと興味あることがわかります。

 まず昨年11月30日に発行されたソニーの1500億円の新株予約権付社債(転換価格957円)のうち、何と1125億円をGoldman Sachsが投資家から同日に額面の101%で買取り、改めて「新株予約権を買い戻す権利」を同じ投資家に販売していました。

 実際には、社債部分に資金が固定されることを嫌ったヘッジファンドとの間で、募集時から「握っていた」取引だったはずです。

 新株予約権は権利行使するときに必要なだけで、実際はソニーの株価がいくら上昇しても新株予約権のタイムバリューが残るので慌てて権利行使するヘッジファンドは少ないはずです。ヘッジファンドは「新株予約権を買い戻す権利」だけ保有していれば、少ない資金負担で全く同じ経済効果が得られることになります。

 この仕組みは、先日出版した「闇株新聞 the book」にも掲載されています。

 ただその「新株予約権を買い戻す権利」をいくらに設定していたのかは、当然公表されていないためわかりませんでした。

 そのSPCが6月4日に提出した大量保有変更報告書では、5月8日~29日に合計18,599,789株分の新株予約権付社債(額面で178億円)を額面の89.96~90.67%で売却していたことがわかります(単価欄に書かれている権利行使価格から逆算)。

 ここで売却というのは、ヘッジファンドから「新株予約権を買い戻す権利」を行使され、「あらかじめ取り決めていた価格」で売却し、その分だけが転換されたことを意味します。

 また6月4日に初めて変更報告書を提出しているのは、5月29日に初めて持ち株比率が1%以上変化して報告義務が発生したからで、売却したのは(転換されたのは)この178億円だけということがわかります。つまりリパッケージされた1125億円の15.8%に過ぎず、ソニーの株価が転換価格の倍以上の2000円になっていても、この程度なのです。

 さてSPCの売却単価が少しずつ違う理由が不明ですが、SPCには親密銀行の三井住友銀行が融資していたようで、借入残高が947億円となっています。1125億円から178億円を差し引くと947億円なので、ぴったり計算が合います。

 ここからは推測ですが、多分Goldman Sachsはヘッジファンドから新株予約権付社債を額面の101%で買い取り、同時に「新株予約権を買い戻す権利」を額面の14%程度で売却し(代金は買取りと相殺)、その権利が行使されると額面の平均90%で売却し、SPCが保有していた社債部分に金利相当分(年利1%程度か?)を期間按分で別途徴収すると、差し引き額面の3%の利益が出ます。

 だいたいこんなものだと思うのですが、だとすると総額が1125億円だったので34億円ほどの利益が、本来の引受手数料以外にGoldman Sachsに入ったことになります。実際はもっと多いようにも思います。

 追加の大量保有変更報告が出ると、もっと正確に推測できると思いますので、また書くことにします。



 4月26日にダイヤモンド社から出版された「闇株新聞 The book」の内容についてザイFX!さんから取材を受けました。

 とても鋭い質問が多く、「闇株新聞 the book」を読んだ多くの方が感じていることを代弁してくれたのかもしれません。

 「闇株新聞 the book」の追記的なことも兼ねていますのでご興味のある方はぜひ→「ザイFX!が闇株新聞に聞く為替の裏側(1)とりあえずの「円安」は終わったのか?」を読んでみてください。

 
闇株にご賛同頂ける方は下のバナーをクリックをして頂けると助かります。
現在は「株ランキング2位」です。



人気ブログランキングへ

Ads by Google

コメントをする⇒
| Comment:0 | TrackBack:0
無料メルマガ配信(不定期)
↓↓↓
メルマガ購読・解除
 
関連記事
コメント
コメントの投稿
闇株新聞プレミアム

各種メディアに掲載されている闇株新聞の裏・・・

闇株新聞プレミアム
Ads by google
Ads by Google
最新記事
最新コメント
全記事表示リンク
フェイスブック
カテゴリ
カレンダー
プルダウン 降順 昇順 年別

02月 | 2017年03月 | 03月
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -


ブログ内検索
Loading
お問い合わせ

※ページが見れない・表示されないという方はお手数ですが、原因究明のためお使いのOSとブラウザを記述の上お問い合わせ頂けますようお願い致します。

名前:
メール:
件名:
本文:

闇株新聞プレミアム

各種メディアに掲載されている闇株新聞の裏・・・

闇株新聞プレミアム