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FOMCと金融市場の反応

2013年06月21日

FOMCと金融市場の反応

 日本時間の本日(6月20日)未明に公表された米国FOMCの結果は現状維持でしたが、直後のバーナンキ議長の記者会見が大変注目されました。

 ポイントは「経済が予想通りに改善すれば、今年後半に国債などの買入れを減少させ、来年半ばに量的緩和を終了させる可能性がある」と明言したことです。また終了の判断基準として失業率の7%近辺への低下(5月は7.6%)を挙げました。

 現在の量的緩和(QE3)とは、昨年9月からMBSを月額400億ドル、本年1月から米国国債を月額450億ドル買入れているもので、年額にすると1兆ドルを超えています。

 ここでQE3の縮小および終了に関する道筋が明確に示されたことになり、よほど大きな米国経済や金融市場の変動が無ければ、その通りになるはずです。

 それを受けた金融市場の反応は、NYダウが206ドル安の15,112ドルで引けました。

 予想より大きく反応したのが米国10年国債利回りで、本日(6月20日)の米国早朝では2.40%まで上昇しています。5月初めは1.6%だったので、かなりの上昇となります。

 為替市場でも本日(東京時間)の午後遅く、一時1ドル=98.24円(前日同時刻は95円前後)、1ユーロ=1.3196ドル(同じく1.34ドル前後)の「大幅ドル高」となりました。

 特に米国10年国債利回りは2011年8月以来の高利回りとなるのですが、これをもう少し詳しく解説します。

 米国10年国債利回りは、米国景気が絶好調だった2007年6月の5.2%から、金融危機直後の2008年12月に2.05%まで急低下しました。

 その後の10年国債利回りは、総額1兆7250億ドルのQE1で2010年4月に3.98%まで上昇し、一時低下したものの総額6000億ドルのQE2で2011年2月に3.64%まで上昇します。

 つまりQE1でもQE2でも、FRBが長期国債やMBSを積極的に買入れている間は米国経済の回復期待で10年国債利回りは「上昇」し、やめてしまうと「低下」していたのです。

 それが2011年夏頃から変質します。

 FRBは2011年9月から2012年12月まで、保有する3年以下の国債を7~30年の国債に入れ替える「ツイストオペ」を総額6700億ドル行い、2012年9月から現在のQE3を開始します。

 FRBの量的緩和の主目的が、長期金利に「より直接的」に働きかけて、住宅ローン金利や企業向け貸出金利を低下させて経済を回復させる方向に変質したと言えます。

 従って、米国10年国債利回りは2011年夏頃から2%を挟んだ動きとなり、ユーロ圏の債務問題が深刻化した2012年7月には1.38%まで低下していました。

 現在の2.4%の利回りは、この2011年夏以降の最高利回りとなります。

 つまりFRBがQE3の縮小および終了の道筋を示しただけで、2011年夏以降の「長期金利を低下させることが主目的だった金融政策が行われていたすべての期間」の10年国債利回りを上回ったのです。

 日銀が「異次元」に長期国債を買入れることにした途端に長期国債利回りが急上昇したこととは事情が違いますが、FRBも「予定外」の長期国債利回り上昇のはずです。

 これは、住宅ローン金利や企業向け貸出金利を上昇させて米国経済の足を引っ張るほかに、「世界的な投資資金の米国回帰」が引き起こされるはずです。

 実際にアジア各国の為替や株式が急落しています。リスク通貨の代表である豪ドルは、本年4月上旬の1豪ドル=1.06ドル近辺から0.92ドルまで、対円でも105円台から89円まで急落しています。

 FRBの量的緩和の縮小および終了は(まだ道筋が示されただけなのですが)、「予定外」の米国金利高とドル高を引き起こし、それが米国への投資資金の還流による新興国の通貨安・株安・経済不安を引き起こすことになります。

 そしてその影響は、日本、中国、ユーロ圏へも波及することになりそうです。


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コメント
長期ボックス圏
株価は狭いボックス圏を長期に続けるってことになりますね。
「経済が予想通りに改善」なら金融収縮、これは今年アメリカ開始、来年は日本開始、立て続けにそうなるわけです。
経済が回復しないなら出口回避かもしれませんが、経済が回復しないのに株価が上がるわけがありません。
回復すれば出口戦略。ならば当面株価は上下とも動きようがないことになります。
チャイナショックなんて・・・
本日、渋谷でスポーツ新聞の見出しに中国銀行破綻なんていうのがありました。
もし、本当なら日本の株はどうなるのか心配です。
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