闇株新聞 the book


闇株新聞 the book
発売中です。
よろしくお願いします。

野村HDの株主総会資料から

2013年06月27日

野村HDの株主総会資料から

 本日(6月26日)、野村HDの株主総会が無事に終了したようです。

 最近、4月19日付け「世界最古の銀行 モンテパスキを巡る騒動」に読者の方から、野村HDの株主総会資料に「野村が売り手となるクレジット・デリバティブの想定元本が40兆円となっているが、万一の時は大丈夫なのか?」とのコメントを頂いていました。

 株主総会資料10頁目左上の注記に、デリバティブ取引全体の想定元本が124兆円で帳簿価額(負債)が4.5兆円であり、その金額に含まれていない野村が売り手となるクレジット・デリバティブの想定元本が40兆円で帳簿価額(負債)が4243億円と書かれています(数字は丸めてあります。またスタンドバイ信用状およびその他の債務保証もあるのですが帳簿価額が少額なので省略します)。

 デリバティブ取引の大半が金利スワップのはずで、想定元本の124兆円はあまり気にする必要はありません。その帳簿価額(負債)の4.5兆円というのも(確かにビックリするような数字なのですが)普通は顧客からの担保やポジションのカバーなどでリスクが大きく軽減されています。

 野村が売り手となるクレジット・デリバティブの想定元本40兆円と帳簿価額(負債)4243億円も、同じようにリスクが大きく軽減されているはずですが、確かに「時期的」に気になります。

 元本1兆円の金利スワップは1兆円の「金利変動分」だけのリスクですが、元本1兆円のクレジット・デリバティブは、時に1兆円の大半が毀損することがあり意味合いが全く違います。

 とはいっても詳細が開示されていないので、これ以上コメントのしようがありません。

 しかし「時期的」にも、少し(大変にではありませんが)気にかけておく必要がありそうです。

 せっかくですので、同じ総会資料を丁寧に読んでみました。

 4月13日付け「世界最古の銀行 モンテパスキを巡る騒動」で、野村HDの欧州法人がモンテパスキから預かっていた担保などの18億7000万ユーロ(2400億円)の資産をイタリア当局に凍結され、別途7億ユーロの損害賠償をモンテパスキから求められていると書いたのですが、同じ総会資料で説明されています(9頁目の左下)。

 それによりますと18億ユーロ超の資産凍結は解除されたそうですが、7億ユーロの損害賠償については、「情報が欠如し、法的に不確定な部分が存在する現時点では、本件に関して発生するかもしれない損失額を合理的に見積もることはできない」そうです。つまり引当などの会計処理をしていないことを意味します。

 それから7頁目の左下と8頁目の右下に、バーナード・マドフ事件に関してFairfield清算人から約3500万ドル、マドフ管財人から約2100万ドルの返還を求められており、それぞれを「合理的に発生する損失の最大額と見積もる」としています。

 これは「闇株新聞 the book」にも掲載しているのですが、Fairfieldというのはマドフの「運用」を組み込んだファンド・オブ・ファンズで、野村はこれを顧客に販売し、マドフの「運用成果」をFairfieldから(たっぷりピンハネされて)受け取っていたものです。

 当然にマドフ管財人がFairfieldに支払った巨額の「運用成果」の返還を求めるのですが、巨額の「運用資金」をマドフに丸投げしていたFairfieldも破産しており、その返還請求がその先の野村にも来ていたものです。

 Fairfieldは完全にマドフとグルだったと認定されており、野村もグルだったと刑事責任を負わされる可能性もあったのですが、合計5600万ドルほどで済むのなら「安く済んだ」と考えるべきかもしれません。

 他にもいろいろと記載されているのですが、8頁目の左に金融危機で実質国有化されたFNMAとFHLMCの財産管理人から、野村が販売したモーゲージ関連商品20億4600万ドル(2000億円!)が不適切だったとして、販売の取り消しまたは損害賠償を求められているとあります。

 これははっきりいって米国政府の「言いがかり」ですが、米国の金融機関は実際に和解しているところもあり、「タダで済む」ことは絶対にないと思います。

 国際証券業務は「かくも難しい」のです。

1日1回の応援クリックを宜しくお願いします。
現在は「株ランキング2位」です。




Ads by Google

コメントをする⇒
| Comment:1 | TrackBack:0
関連記事
コメント
ご解説ありがとうございました。

英米の巨大銀行が訴訟費用を1000億円単位で引き当てる中で、野村の訴訟費用の見積りの少なさに改めて驚きます。過分に、希望的観測に基づいた計算であるように思えてなりません。
コメントの投稿
闇株新聞プレミアム

各種メディアに掲載されている闇株新聞の裏・・・

闇株新聞プレミアム
Ads by google
Ads by Google
最新記事
最新コメント
全記事表示リンク
フェイスブック
カテゴリ
カレンダー
プルダウン 降順 昇順 年別

05月 | 2017年06月 | 07月
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -


ブログ内検索
Loading
お問い合わせ

※ページが見れない・表示されないという方はお手数ですが、原因究明のためお使いのOSとブラウザを記述の上お問い合わせ頂けますようお願い致します。

名前:
メール:
件名:
本文:

闇株新聞プレミアム

各種メディアに掲載されている闇株新聞の裏・・・

闇株新聞プレミアム