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有罪判決となった経産省元幹部のインサイダー取引

2013年07月01日

有罪判決となった経産省元幹部のインサイダー取引


 6月28日に、インサイダー取引で起訴されていた経済産業省の元審議官に対し、東京地方裁判所が執行猶予付きの有罪判決を言い渡しました。

 事件とは、2009年4~5月に元審議官が重要事実の発表前であるエルピーダメモリの株式を買い付けたとして、東京地検特捜部が2012年1月12日にインサイダー取引で逮捕したものです。

 いつものように報道では重要な経緯がすべて省略されていますので詳しく書きますと、経営不振に陥っていたエルピーダメモリに対し、改正された産業活力再生特別措置法が2009年6月30日に適用され、400億円の公的資金投入(うち優先株300億円)と1000億円の民間銀行による協調融資が行われました。

 民間企業(注)に対する公的支援の第1号で、それを主導したのが経済産業省で、その中心にいたのがこの元審議官でした。
  (注)有用な経営資源を有しながら過大な債務を負っている事業者。

 2009年2月4日にエルピーダメモリが「本日の一部報道について」とのIRを発表しました。今回の判決理由にもなるIRなので、全文をそのまま引用します。

 「本日、一部報道機関より、当社が公的資金の申請を検討しているとの報道がされていますが、当社から発表したものではありません。今後、産業再生法改正案が成立した場合には、資本増強の選択肢の一つとして、検討したいと考えております。開示すべき事項が生じた場合には、速やかに開示いたします」

 このIRは、その日に公的資金による支援が大々的に報道されていたことを意味します。しかしIRではどこにもエルピーダメモリが正式決定したとは書いていないので、その時点では確かにインサイダー情報となり、インサイダー取引は成立していることになります。

 しかし良く考えてみればわかるのですが、報道機関が「全く独自に調査して掴んだ情報を全く勝手に報道した」とは考えにくいので、これは当局(経済産業省つまりこの件の責任者であった元審議官)からのリークだったはずです。

 つまりこの時点では「元審議官としては正式発表」していたことになります。エルピーダメモリは支援される会社なので、そもそも自分で決められるはずがありません。

 じゃあ、なぜ元審議官はリークしたのでしょう?

 それは経済産業省が「民間企業に公的支援を行う」ために、産業再生法を改正して早く「第1号」を世間に知らしめる必要があったからです。

 つまり経済産業省としては、旧大蔵省の金融庁に対抗して、公的資金を直接扱えるこのスキームを成立させることが官僚組織の勢力争いで大変重要であり、元審議官はそこで実績を上げて出世するために、それぞれに必要なリークだったのでしょう。

 そう考えてくると、このインサイダー事件は「全く違った景色」が見えてきます。

 要するに「経済産業省」対「旧大蔵省+検察庁」という、典型的な官僚組織の勢力争いだっただけの話です。国家の資金は旧大蔵省が独占的に扱うものだからです。また別に旧大蔵省と検察庁が親しいわけではなく、1998年の過剰接待事件で検察庁が大蔵省から証券取引等監視委員会の権限を奪ったままだからです。

 たまたま元審議官が株式を購入していたのでインサイダー取引事件にしただけで、別に「痴漢」でも「万引き」でも何でもよかったのです。逆に言えば、このような官僚組織の勢力争いが絡まなければ、インサイダー取引のような罪でキャリアの官僚が逮捕されることは絶対にありません。

 今回の東京地方裁判所の判断では「会社が重要事実を公表していないうちに株式を購入した」ことが唯一の理由になっているのは、起訴した東京地検特捜部が「裁判所がそういう判決文を書きやすいように」懇切丁寧に証拠を揃えたからです。元審議官は控訴するようですが、絶対に無罪にはなりません。

 これが官僚組織なのです。怖いですね。

 我々国民からは全く遊離した別世界の出来事なのですが、エルピーダメモリは2012年2月に会社更生法を申請し、公的資金はすべて毀損し(要するに国民負担となりました)、米国マイクロン・テクノロジーに格安で譲ってしまいました。ツケだけはしっかりと国民が支払わされるのです。

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