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日本取引所グループと世界の取引所 その2

2013年07月04日

日本取引所グループと世界の取引所 その2


 本日は、元CIA職員エドワード・スノーデン氏の亡命先や、AIJ投資顧問の浅川元社長へ求刑15年、オリンパス元社長らに執行猶予付き判決などの話題もあるのですが、昨日から引き続きこの話題を続けます。

 昨日は、新興の電子取引所ICE(intercontinental Exchange)が世界最大の証券取引所NYSEユーロネクストを買収し、時価総額230億ドルの巨大取引所が誕生するところまで書きました。

 ICEとすればNYSEユーロネクストの株式取引そのものよりも、傘下に入れることによって株式関連のデリバティブ取引を拡大させることが「真の狙い」のはずです。逆にいえば、株式中心の証券取引所は、今後は世界で生き残ることが難しくなるかもしれないのです。

 昨日、上場する株式の5月末の時価総額が大きい順にNYSEユーロネクスト(18.9兆ドル)・ナスダックOMX(6.3兆ドル)・日本取引所グループ(4.2兆ドル)・ロンドン証券取引所(3.8兆ドル)であると書いたのですが、このうちのナスダックOMXとロンドン証券取引所は経営が不安定で生き残りをかけた再編のうわさが絶えません。

 ナスダックOMXの時価総額は54.9億ドル(5490億円)、ロンドン証券取引所は5700億ドル(5700億円)と、急上昇している日本取引所グループの6000億円を下回っています。

 日本取引所グループが、ナスダックOMXやロンドン証券取引所よりも「優れている」のかどうかはわかりませんが、世界の取引所のダイナミックな再編から全く別世界の「平和と安定」を享受していることになります。

 それでは「勝ち組」といえる、時価総額の大きい取引所を見てみましょう。

 ICEがNYSEユーロネクストを合併しても、それよりも大きな時価総額を持つ「世界最大の勝ち組の取引所」があります。

 CME(Chicago Mercantile Exchange)です。もともとは1848年創業の世界最大の穀物取引所CBOT(Chicago Board of Trade)の一部門だったのですが、1919年に分離独立しました。主に卵やバターなどの「生もの」を扱っていました。

 その後はシカゴの2大商品取引所として競い合い、1970年代から金融商品の先物を取り入れてさらに拡大します。そして金融商品では為替・株式・短期金利を扱ったCMEが徐々に優勢となり、2007年に親会社であるCBOTを吸収合併してしまいました。

 ICEよりもはるかに歴史のある総合取引所で、時価総額は7月1日現在で255億ドル(2兆5500億円)もあります。

 取引所としての時価総額がこれに続くのが香港証券取引所の174億ドル(1兆7400億円)ですが、昨年までは時価総額が世界1位でした。昨今の中国経済の不振からか5月以降だけで16%も値下がりしています。また香港証券取引所に上場している株式の時価総額は2兆8734億ドル(5月末)となっています。

 その次がドイツ証券取引所の124億ドル(1兆2400億円)です。ドイツ証券取引所に上場している株式の時価総額は1兆6169億ドル(5月末)ですが、傘下に欧州最大のデリバティブ取引所Eurexがあることが最大の強みです。最終的には破談になりましたがNYSEユーロネクストとの合併(実質は買収)に一旦は合意していました。

 つまり世界の取引所は、デリバティブ取引に強みをもつCME、ICE、ドイツ証券取引所が「世界の3強」で、今後も再編の中心となるはずです

 再編で吸収されそうな代表が株式中心のナスダックOMXとロンドン証券取引所で、仮に両方をCMEが買収してしまうと、世界の取引所の勢力図がほぼ確定してしまうことになります。

 まあ「巨大な官製取引所」である日本取引所グループとしては、全く気にする必要のない別世界の出来事かもしれませんが、日本の将来を考えると「好ましいこと」ではありません。

 余計な「お節介」ですが、日本取引所グループとしては時価総額がほとんど同じでCMEとも親密なシンガポール証券取引所を「買収」することが、地域的に考えても唯一合理的な国際戦略といえます。

 日本取引所グループはどこからも買収される心配はなく「巨大な官製ローカル市場」として生き残れると思うのですが、それでも今後は間違いなくCMEとICEが電子取引所で日本に進出してくることになります。


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でている数字は、取引所自身の時価総額と、そこに上場している株式の時価総額(合計)だけで、売買代金ではありません。

例えば日本取引グループは、自身の時価総額が6000億円で、そこに上場している株式の時価総額(合計)が4.2兆ドル(420兆円)です。

同じようにNYSEユーロネクストは、自身の時価総額が約100億ドル(1兆円)で、上場している株式の時価総額が18.9兆ドル(1890兆円)です。
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