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中国の貸出金利の下限撤廃

2013年07月23日

中国の貸出金利の下限撤廃


 中国人民銀行(中央銀行)は7月19日の夜、銀行の貸出金利の下限規制を撤廃すると発表し、翌20日から実施しました。

 中国ではこれまで預金金利の上限を基準金利(3%)の1.1倍の3.3%、貸出金利の下限を基準金利(6%)の0.7倍の4.2%としていたのですが、この貸出金利の下限だけを撤廃しました。

 中国の硬直的な金利規制が「影の銀行」を拡大させているとの国際的な懸念から、習近平指導部が金融改革を進めることにしたと報道されています。

 残念ながら、あまり関係がありません。

 確かに7月19日~20日にモスクワでG20(財務省・中央銀行総裁会議)が行われており、中国もG20のメンバーですが、中国が他国の懸念を気にかけて政策変更することは「絶対に」ありません。

 実は中国では、まだ胡錦濤体制だった2012年2月に、中国人民銀行が資本自由化・為替自由化・金利自由化を並行して進めるスタンスを示していました。

 それを受けて2012年4月16日から、中国人民銀行が人民元の日々の対ドル変動幅を当日の仲値の上下0.5%から上下1%まで拡大しています。

 金利自由化の方は、それより以前の2004年10月に、貸出金利は上限規制撤廃・下限金利は基準金利の0.9倍、預金金利は基準金利以下で変動可能とされていました。

 そして2012年6月8日と7月6日の2回に分けて、景気対策として預金基準金利を3.5%から3.0%へ、貸出基準金利を6.56%から6.0%までそれぞれ引き下げるとともに、預金金利の上限を基準金利の1.1倍することと、貸出金利の下限を基準金利の0.7倍にすると決めていました。

 7月19日の変更は、この連続線上にあるもので、別に習近平体制になって新たに決められた方向でもなく、「影の銀行」問題で慌てて決められたものでもありません。

 ちなみにここまで書いた基準金利とは期間が1年の金利のことで、預金も貸出も期間に応じて基準金利がそれぞれ決められています。

 強いていえば、習近平が胡錦濤時代に決められた金融自由化を「その通り」実行したことが注目されます。胡錦濤体制の金融政策は王岐山・国務院副総理が中心となり、中国人民銀行総裁が周小川でした。

 習近平体制では、王岐山は常務委員(党中央規律検査委員会書記)に昇格し、王岐山の後任は胡錦濤派の代表である李克強・国務院総理(首相)が兼任し、周小川・中国人民銀行総裁は留任しました。

 つまり現在の金融政策の主導権は、依然として胡錦濤の影響下にあります。それでは習近平としては胡錦濤時代に膨らんだ「影の銀行」問題を取り上げ、一気に胡錦濤派から主導権を取り戻すチャンスでもあるのですが、どうもそうはいかないようです。

 7月19日に貸出金利の下限を撤廃したことは、国営企業の金利負担を下げるものの、同時に国営企業ともいえる大手銀行の収益基盤も悪化するため、全体としてメリットはありません。

 つまり「影の銀行」問題に、何かしらの関係があるとは考えられません。

 あくまでも胡錦濤時代に方向が決められていた「長い目で見た中国の金融体制の将来のための」金利自由化の1ステップでしかありません。

 同時に習近平が、少なくとも金融分野では権力を完全に掌握していないことが、図らずも窺い知れることとなりました。

 これは習近平体制では、「影の銀行」問題を手遅れにならないうちに(もう手遅れかもしれませんが)根本的に外科手術で解決することが極めて困難であることを示唆しています。

 そのような意味を持つ、貸出金利の下限撤廃でした。


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