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日本の外貨準備活用について考える

2013年07月26日

日本の外貨準備活用について考える


 政府は外貨準備として保有する米ドルを、東南アジア各国に機動的に融通する仕組みを整えるとの報道が「唐突に」でています。

 通貨安が進み外貨準備の減少が懸念されるアジア諸国との間で通貨協定を結び、これらの国の経済・通貨危機に備えるというものです。

 具体的には、フィリピンとインドネシアとの通貨協定を倍増して合計340億ドル(3兆4000億円)にするほか、現在は通貨協定を結んでいないマレーシア、シンガポール、タイとも新たに数十億ドルずつの協定を結ぶようです。

 安倍首相が25日から27日まで東南アジアを訪問し、シンガポール、マレーシア、フィリピンの各国首脳にこの金融協力強化を伝えるようです。

TPP交渉を有利に進めるためや、台頭する中国に対抗するために東南アジアとの結びつきを強めておきたいとの思惑でしょうが、別にこれらの諸国が現時点で通貨協定を「熱望」しているとも思えず、何とも「唐突な」感じがします。

 ちなみに野田政権時に700億ドルまで大盤振る舞いしていた韓国に対しては、直近では100億ドルまで減少しているのですが見直さないようです。

 通貨協定とは外貨(ドル)が枯渇した国に一時的に外貨(ドル)を融通するもので、相手国が本当に経済・通貨危機となったときには大変なリスクがある一方で、日本には何もメリットがありません。IMFの緊急融資のように、その国の資産を根こそぎ押さえることなどはできない全くの信用供与だからです。

 確かに日本には6月末現在で1兆2387億ドル(123兆円)もの外貨準備があり、その大半がドル資産です。この外貨準備はそっくり政府短期証券を発行して取得しているため、れっきとした国民負担なのです。

 外貨準備からは、平成25年度当初予算では年間2兆円ほどの運用収入が見込まれ(調達コストなどを考慮していません)、1.2兆円ほどが国債整理基金に組み入れられる予定です。しかし国民負担で為替リスクを負っているので、もう少し日本国民のために有効活用すべきです。

 その有効活用が日本国民のためではなく、東南アジア諸国の将来の通貨危機のために提供される(注)というのも、いまひとつ説得性が乏しいものです。

(注)通貨協定は有事のためのもので、今すぐ相手国に融通するわけではありません

 また有効活用に関しては、民主党政権時に国際協力銀行(JBIC)に対し、インフラや資源開発その他の戦略的投融資が機動的にできるように1.5兆円を目途に外貨準備から外貨を貸し付けることにしていました。6月末のJBICへの貸出残高は429億ドル(4.3兆円)と急増しているのですが(1年半前は163億ドル)、JBICがその外貨をどのように国民のために「有効活用」しているのかは全く不明です。

 よくいわれていることは外貨準備を国家として戦略的に投資する「日本版 ソブリンファンド」に転用することですが、これは外貨準備の運用が(その残高水準も含めて)完全に米国政府の意向に従っている現状では、全く不可能です。

 本誌は1ドルが70円台の時は、為替益を狙って「戦略的外貨取得」をすべきと主張していたのですが、1ドルが100円前後の現在では全く意味がありません。

 先日の参議院選挙で見事(3万3000票の得票で)当選されたフジマキ(藤巻健史)氏のように、1ドルが10,000円になるとも思っていないので、この水準の外貨準備は日本国民にとってリスクの方が大きいと考えます。

 しかし7月10日付け「復活しそうな官民協調外債ファンド」でも書いたのですが、米国政府は日本を米国債(それもできればMBS)のさらなる受け皿にしたいはずです。

 突き詰めて考えると、外貨準備の有効活用とは、「対米カード」の強化でしかないと考えています。具体的にどのようにするのかは、もっと考えを整理して近いうちに書くことにします。


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コメント
消費税増税も米国債の受け皿確保の為なんでしょうか?
東南アジア諸国への信用保証をすることによる連携強化そのものが大局的見地に立った日本国民の利益に適っているとしか思えないんですが、何ゆえにそれが日本国民の利益になっていないかのような視点で書かれるのか疑問です。
東南アジア諸国に関してはTPPという視点でさえいささか視野が狭く感じられるほどに、日本の国家の存立の根幹にかかわる地政学的条件下にある国々であることは明白だと思われますが。
少なくとも日本の領土を強奪したか、あるいは強奪しようとたくらむ国に何らかの利益供与ないし保証をするよりも格段に日本国民の利益となるのでは?
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