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米国長期金利と日本株

2011年02月09日

米国長期金利と日本株

 本誌1月31日の「日本株はどうなる?」で、過去10年以上の間で、日本株と一番きれいに連動しているのが米国長期金利であると、過去の例を挙げて書きました。

 米国長期金利(普通10年国債の利回り)は、非常に数多くの投資家や証券会社が参加する、洗練された(sophysticated)市場で、そこで形成される相場は非常に多くのことを暗示しているものなのです。

 その米国長期金利が上昇しています。
 昨年11月の6000億ドルにも上るFRBの国債買い付けの決定(量的緩和)前後に2.4%
程度であった米国10年国債の利回りは、その後金融政策が変わっているわけでもなく、また実際のFRBによる国債買い付けも着々と進んでいるにもかかわらず、2月7日は3.63%まで上昇しました。

 理由は簡単で、金融の量的緩和により米国株式が上昇し、景気回復期待が出ているからで、まさにFRBが期待した通りの結果が出かかっているのです。
 もちろん米国は景気対策として大形の財政政策も取っており、ここ何年かは1兆ドルを大きく超える財政赤字になりそうですが、別にそれを気にして金利が上がっているわけではありません。

 うまく説明できませんが、確かに日本株は米国株にも連動しているのですが、米国株自体は米国企業の業績とか、M&Aとか、はたまたスキャンダルとか、やや米国株式固有の材料によって動くこともあるので、もう少し経済全般の動きを反映する米国長期金利のほうが、結果的に一番日本株に連動している、と言えるのだと思います。

 米国長期金利が上昇するのは、景気回復だけではありません。
 よく言われるのが、インフレ心理を先取りしていることで、インフレはもちろん経済回復によって引き起こされるのですが、それ以外に資源価格・穀物価格の上昇等によっても引き起こされます。現在は、まさに景気回復期待とインフレ懸念が複合した金利上昇と言えます。

 もうひとつ、よくいわれるのが、クレジットスプレッドです。つまり企業業績が悪化すると、国債と事業債のスプレッドが拡大します、つまり相対的に国債の利回りが低下します。現在は、企業業績予想も良くなっていくため、スプレッドが縮小し、結果的に国債利回りに上昇圧力がかかるのです。
 いずれにしても、米国長期金利はもっと上昇するはずです。
 従って、ありがたいことに日本株も、もっと上昇するはずです。

 そんな単純なものかなあ? と思われるでしょうが、米国国債市場は世界で最も参加者が多く、最もいろんな取引動機(投機、ヘッジ、資産配分の変更など)が持ち込まれた結果が集約されているのです。従って米国長期金利が上下するときは、必ず世界の動きを暗示しているものなのです。

 だから米国長期金利が下がりだしたら、要注意なのです。

 ついでに、日本の長期金利(10年国債利回り)も昨年秋の0.8%台から1.3%まで上昇しています。
 日本国債市場は、sophysticatedな米国国債市場と違い、参加者の大半が日本人の金融機関のディーラーという、非常に似通った思考回路と価値観を持ち、かつ保身技術に長けたエリートサラリーマンが形成する、世界でも珍しい市場なのです。

 だから、米国金利が上昇すると、日本金利も上昇しなければならないと思い、日本の財政赤字が世界最大だから、いずれ国債は暴落する、と常に思っているのです。(昨年11月30日と、12月1日の「日本国債について」を御参照下さい。)

 日本は、この景気回復を優先しなければならないときに、何故か財政再建の大合唱です。
財政再建は日本の長期金利を低下させます。そして日本株にとってもダメージとなります。

 残念ながら、日本の国債市場は、米国債市場と違い、世界の動きを暗示しません。日本の動きさえ暗示してくれません。

 日本株の方向は、やはり米国長期金利を見ているのが、よさそうです。

平成23年2月9日

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