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米国本社の影響力が増大する日本マクドナルド

2013年08月29日

米国本社の影響力が増大する日本マクドナルド


 日本マクドナルド・ホールディングス(JASDAQ上場・コード2702)は8月27日、事業子会社・日本マクドナルドの社長兼CEOが原田泳幸氏からカナダ人のサラ・カサノバ氏に交代したと発表しました。

 原田氏は引き続き親会社・日本マクドナルド・ホールディングスの会長兼社長と事業子会社・日本マクドナルドの会長に留まるのですが、最近の業績不振から米国本社が日本マクドナルドの経営に直接関与し始めたことは間違いありません。

 本誌は以前からマクドナルドのような外資系飲食チェーン会社は、本社が吸い上げるロイヤルティや株式配当が、日本人に提供されるサービスや付加価値に見合っていないと書いてきました。

 日本マクドナルドの米国本社へのロイヤリティは売上高の3%と高率で(もちろんそれは価格に転嫁されています)、また米国本社が50%の株式を保有し毎年20億円の配当を受け取っています。それ以外にも食材供給をほぼ独占するなどのメリットがあるはずです。

 価格設定は大変に強気ですが、味や店頭でのサービスは大変に不十分に感じ、明らかに米国本社の享受するメリットに見合っていません。

 それでも今までは「日本人マネジメントが割合に主体的な経営を行っていた」ともいえます。

 日本マクドナルドは、1971年に藤田商店社長の藤田田(ふじた・でん)氏が、米国マクドナルドの日本におけるフランチャイズ権を獲得し、米国マクドナルドと合弁で設立した会社です。

 日本マクドナルドは藤田田CEOのリーダーシップで、売り上げが米国本社に次ぐ世界第2位となり、2001年にJASDAQに上場します。今でも米国本社以外では世界で唯一の上場会社です。

 ところが上場直後から経営が急速に悪化し、2003年に藤田田CEOが引責辞任し、その後は米国本社の直轄体制となり現在に至っています。

 それまでは藤田商店も全売り上げの1%の経営指導料(年間約20億円)を得ていたのですが、それを機に巨額の違約金(約60億円だったはずです)を支払って藤田商店との関係を完全に解消しました。

 藤田田氏(2004年に死去)の持ち株も、その後すべて売却されています。

 2004年に原田泳幸氏がCEOとなり、大胆な経営戦略で最近まで業績を拡大させていました。この原田氏のCEO就任は米国本社の指名だったはずですが、まだ「日本市場のことは日本人マネジメントに任せる」状況が続いていたわけです。

 そして今回、実質的に日本マクドナルドの経営のかじ取りが「米国本社が派遣した外国人」に委ねられることになりました。

 日本マクドナルドだけではなく日本トイザらス(注)や日本ブロックバスターで、同じ手法を繰り返した藤田田氏の「日本株式市場への貢献度」を評価することは難しいのですが、少なくとも日本マクドナルドの経営を米国本社と対等に近い形で進めていたことは事実です。

(注)日本トイザらスは2000年にJASDAQに上場したのですが、2010年に上場時の調達額をはるかに下回る金額で米国本社がMBOして上場廃止となりました。要するに「食い逃げ」したのです。

 繰り返しですが、藤田田氏の辞任後に米国本社の直轄体制となり、今回は米国本社がCEOを派遣してきたのです。

 新任のサラ・カサノバ氏がどのような戦略を打ち出してくるのかは不明ですが、少なくともより米国本社を向いた経営となることは確実で、上場会社である日本マクドナルド・ホールディングスの企業価値を長期的に損なう恐れが出てきます。

 日本マクドナルドは、株式投資の対象としては、評価が難しくなったといえます。


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