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やっぱり半沢直樹について

2013年09月25日

やっぱり半沢直樹について


 欠かさずにみていたテレビドラマ「半沢直樹」が終わってしまいました。最終回(9月22日放送分)の視聴率は平均42.2%で、これは平成になってからの歴代のドラマのなかで最高だそうです。

 最終回は25分拡大されていたので、拡大分がそっくりコマーシャルではないかと身構えていたのですが、そうでもありませんでした。

 このような「金融もの」ドラマは少なくないのですが、「小難しく作っている割には実態からかけ離れている」ものが多く、面白いと思ったことはありませんでした。

 ドラマ「半沢直樹」は、銀行の実態よりもはるかに「かっこよく」「勧善懲悪的に」作られていたので、みていて楽しかったのでしょうね。もっと実態に近づけたらドラマにはならなかったはずです。

 またテレビドラマによくある「主役にアイドル系のタレント」を起用しなかったことも成功の理由でしょう。

 でも実際の銀行は絶対に「勧善懲悪」とはなりません。必ず「巨悪」が勝ち残ります。

 ドラマの結末は、悪事を暴露された大和田常務が平取締役に降格されただけで銀行に残り、悪事を暴いた半沢直樹が証券子会社に出向となりました。つまり結末だけが「銀行の実態」に近いので、みていて違和感を覚えた方が多かったはずです。

 一番の巨悪だから一番上(つまり中野渡頭取)に座っているのです。

 さて半沢直樹は証券子会社に出向となり、すなわち出世レースから脱落したと考えられるようです。これは単純に「子会社」であるだけではなく、証券業務は銀行業務の「下にある」と考えられていることになります。

 それがそのまま社会の常識となっています。どちらが優秀なのかの議論ではなく、日本経済にとっては決して「好ましくない」考え方です。

 だからというわけでもないのですが、メガバンクの証券戦略は「迷走」の歴史です。「半沢直樹」のモデルと思われる三菱UFJフィナンシャル・グループの証券戦略を振り返ってみましょう。

 1980年代の後半に、銀行は揃って証券子会社を設立します。当時は銀行本体で行っていた公共債の引き受け・売買業務を切り離して移籍させたのですが、大半の銀行員には「左遷」と受け取られていたようです。

 たぶん当時は三菱ダイヤモンド証券といっていたはずですが、1996年に三菱銀行が東京銀行を実質的に吸収合併したため、東京銀行の証券子会社も吸収して東京三菱証券となります。

 2002年10月に野村證券の系列(子会社ではありません)で当時は業績のよかった国際証券と合併して三菱証券となります。

 そして東京三菱銀行が2006年1月にUFJ銀行(三和銀行と東海銀行の合併行)を実質的に吸収合併したため、三菱証券はUFJつばさ証券(ユニバーサル証券・太平洋証券・第一證券・東和証券の合併会社)と合併して三菱UFJ証券となります。

 さらにリーマンショック直後の2008年10月に、三菱UFJフィナンシャル・グループが米国モルガン・スタンレーの優先株を90億ドル(1兆円以上!)も引き受けたことを受けて、2010年5月に三菱UFJモルガン・スタンレー証券とモルガン・スタンレーMUFG証券の合弁会社2社を設立して現在に至っています。

 ちなみに三菱UFJモルガン・スタンレー証券の方は、2011年4月に1000億円以上の損失が出たと発表したのですが、その詳細は明らかにされませんでした。

 つまり親会社である三菱UFJフィナンシャル・グループの合併や資本参加に合わせているだけで、明確な証券戦略があるとは考えられません。他のメガバンクも似たり寄ったりです。

 ドラマで続編が作られるかは未定のようですが、もし作られても舞台が証券子会社だと「ドラマと実態のギャップがもっと広がって」しまうことになりそうです。

 やはり半沢直樹は銀行員でなければ面白くないような気がします。


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コメント
役者が大見得を切り合って、あのドラマは歌舞伎そのもの。

堺と中車は、いずれ忠臣蔵をやる。
うーむ。。。
今更だけど、ハネ専務の時もそうだったけど、メガバンクの常務取締役が身内への転貸やら融資取引先損失情報の隠ぺいを働きながら、平取への降格のみで処分が終わるってのは、ちと現実離れしすぎててなんか後味茶番な感じが(^_^;)

ま、所詮はドラマなんですが。。。
DKB vs 富士
みずほ銀行の改善命令は内部告発の可能性ありませんか?
オリコからではなくみずほ銀行から改善命令がでたのは解せない流れですし、個別の高々二億の融資でオリコの保証が付いた融資内容に金融庁自らが知り得るはずありません。
摩訶不思議に思う
半沢直樹大ファンであるが,高視聴率平均42.2%であったにもかかわらず,現在不思議に思う事は何故次回作の話題とかがないのか?次回作等のワクワク期待感がメディアからも無いのが実に不思議に思う.その原因は監督のヤル気と関係があるのか?他に何らかの原因があるのか?誰か教えて欲しい.
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