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外貨準備の運用を一部民間に委託の意味

2013年10月25日

外貨準備の運用を一部民間に委託の意味


 政府は、外国為替資金特別会計(以下「外為特会」)で行う外貨準備の運用を、一部民間に委託する方針のようです。大体このように「突然の話」が出てくるときは、必ず「ウラ」があります。

 ここでいう「民間」とは、当然に海外の運用会社が含まれるはずで、またぞろ郵便局と「突然」業務提携した(別にがん保険の専門会社でもなんでもない)アフラックのようなケースが出てくることになりそうです。

 海外の運用会社に委託すれば「運用成績」が向上するかどうかの以前に、外為特会とは、その原資をすべて政府短期証券の発行で賄う100%国民負担でありながら、その規模や運用方針の決定に日本政府の意向がほとんど反映されていません。

 よく外為特会は、原油産出国やノルウェーのSovereign Wealth Fund(国家ファンド)のように考えられているのですが、実は全く違います。これらの国家ファンドは、すべて原油収入などで積み上げた余剰資金を国家のために運用しているものですが、外為特会とは借金(国債発行)で得た資金が、いくばくかの運用収入は上がるものの、日本の国策のために全くいかされていないものです。

 前回の自民党政権時の金融担当大臣が、当時のポールソン財務長官に「外為会計で保有する米国債の、せめて利息相当分だけでも自由に運用させて下さい」と依頼して、あっさりと拒否されていました。

 いうまでもなく「外為特会」とは、その規模も運用もすべて米国政府の意向にしたがっています。そこへ米国政府が直接「あれこれ」指図する代わりに、米国の業者に運用を委託することになるわけで、よりリスクの大きなもの(米国の業者がより儲かるもの)に国民負担(国債発行による資金)が投入されることになり、もっと状況が悪くなるだけです。

 外為特会は18ある特別会計の中で、国債整理基金特別会計や年金特別会計と並んで巨大なものです。9月末現在で1兆2734億ドル(124兆円)ある外貨準備を「運用」しています。

 最新の政府短期証券の発行残高は6月末の123.3兆円で、その「そのほとんどすべて」が外為特会に使われており、同じく6月末の外貨準備が1兆2387億ドルなので、ドル換算のコストが「ほぼ100円」と考えられます。

 昨年までは「巨額の評価損」があったのですが、最近はほとんど解消していることになります。まあ評価益になっても売却できないので、あまり意味がありません。

 外為特会の平成25年度予算は、運用収入が2.2兆円あるのに対し、支出が1.25兆円の国債整理基金への繰り入れなどの1.58兆円だけで、大幅な余剰金が出ています。

 外貨準備の運用状況は平成23年度のものが発表されているだけで、しかも通貨別内訳が公表されませんが、大半が残存5年以下の米国国債のようです。平成24年度の運用状況は11月中旬に発表されますが、あまりはっきりしたことはわからないはずです。

 外貨準備とは、もちろん外為介入で積み上がったものですがですが、2004年初めに突然35兆円相当の巨額ドル買い介入を行ったことがあります。そのコストは大体1ドル=115円程度でした。

 その目的は、2000年頃のITバブルの崩壊、2001年9月の同時多発テロによる景気の落ち込みで脆弱化していた金融システムを、しっかりと補強するためでした。

 最近は米国国債の利回りが低下しているため(現在の5年の米国国債利回りは1.25%程度)、運用収入がだんだん減少することになります。つまり外為特会とは、巨額の為替リスクを抱えた大幅にレバレッジのかかった国家ヘッジファンドなのです。

 そのファンドマネージャーまでを、米国の業者に任せようとしているのです。

 それでは、どうすればよいのか?ですが、最近はこのような「考えても、空しくなる」ことがあまりにも多いため、本日はここで終わることにします。


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コメント
外貨準備を運用出来る人材が居ないとか・・
リスクを恐れる腰抜けばかりだって
ことですかね・・
本当に虚しいですね。
健康にもかかわらず、ベッドに縛り付けられて、生き血をアメリカに輸血し続ける。それが今の日本の姿だということを
もっと多くの日本人が自覚してほしい。今ある日本の経済大国の地位や繁栄は砂上の楼閣であるということを。
ただ、現状ではアメリカを選ぶか中国を選ぶかの2択しかないのが辛いところです。。。大国に頼らず、真の独立国家として立ちたいところですが、これといった武器も鎧もない。。。
同盟関係を検討する上で最も重要なことは、安全保障、すなわち軍事的側面である。
良い悪いは別として、現状において、自衛隊はPACOMに組み込まれている。殊に海上の艦種構成は第7艦隊のCVSGをエスコートすることが主たる目的と言っても過言ではない。
この現状を転換するには膨大なコスト(軍事的・政治的・経済的)がかかることは議論の前提条件である。
当然、主権者たる日本国民が必要と判断するならば、どれほど膨大なコストがかかろうと、敢然たる決意をもって現状を転換すべきである。
ところで、同盟国を選択する上では、民主主義の価値観を共有できることが必要条件であろう。
すなわち、議会制民主主義、思想信条の自由を始めとする基本的人権の尊重、適正手続きを始めとする法の支配などを共有できる国を相手とすべきである。
国民が適正手続きもなく公安に逮捕されてしまう国と逮捕時に捜査員がミランダ警告を唱える国とで、どちらを選択すべきかは自明であろう。
小泉の愛弟子である安倍が首相である限り郵貯マネーは流出、米国債は買われ続けますが、首相の地位は益々盤石なものとなるのでしょう。この事実をマスメディアを知らされない奴隷のような日本人。
本当に悔しいです。
虚偽の繁栄・家畜の安寧
日英同盟
グレートゲームの駒として使われたに過ぎないにせよ、覇権国家との同盟関係ほど有難い事はない。
例えば、日露戦争において、ロシア第2・第3太平洋艦隊は、イギリスの妨害、なかんずくイギリス海軍の執拗な妨害に遭い東シナ海に到着したころにはヘロヘロ状態。
かようなイギリスの介入がなければ、日本海海戦ひいては日露戦争に勝利できなかったろう。
しかしながら、確かに勝利はつかんだがアジア大陸には日本兵の死体の山が築かれた。
つまり、日英同盟の対価を血で購ったのである。

翻って現在、幸いにもわが国には金(かね)がある。
良い悪いは別として、事実として、金は毟り取られているが、自衛隊は「戦闘地域」に派遣されていないのである。これを虚偽の繁栄・家畜の安寧と笑う者もいるであろう。つまり、金で済ませるのではなく血を流すほうが雄々しいと思っているわけである。
個人的には人命第一が良いと思うが、金は出すが血は流さないという同盟関係は異例であるし、金があるといってもかつてほど余裕もないので、では血を流しましょうという方向に日本政府は進んでいるように見受けられる。
これは日本国民の選択の結果であるから良いも悪いもないが、一つ言えることは、こういうことになったのは、これ以上金を出すな(米国債を買うな)というマスコミの報道が原因の一つではないのか。この手の報道には、扇動というか、日米同盟の一面しか見ていない短絡的な報道が多いように思う。本当に情けないことである。
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