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特定秘密保護法案の衆議院通過に思う  その2

2013年11月29日

特定秘密保護法案の衆議院通過に思う  その2


 昨日の続きです。そこで書いた「亡国の3点セット」がなぜ問題なのか?とのコメントをいただいていましたので続けます。

 「亡国の3点セット」とは「集団的自衛権の行使」「日本版NSC設置」に「特定秘密保護法案」を加えたものです。その意味するところではなく、それぞれが「承認」されていく過程そのものが「まさに亡国」なのです。

 まず「集団的自衛権の行使」とは、同盟国(米国のことです)が攻撃されたとき、または同盟国ではなくても日本に安全保障上不可欠な国の求めに応じて共同軍事行動をとるものですが、従来は防衛以外の武力行使を禁じる憲法9条に違反していると考えられていました。

 安倍首相は8月に、内閣法制局長官の序列を無視して「集団的自衛権の行使は憲法9条に違反していない」と主張する小松一郎・駐フランス大使を起用しています。自動的に「集団的自衛権の行使は合憲」となってしまいます。

 次に「日本版NSC」とは、首相・外務大臣・防衛大臣・官房長官で構成される国家安全保障会議(日本版NSC)が外交・安全保障政策の基本方針や中長期的戦略を決めるものです。昨日(11月27日)参議院でも承認され、正式に設置されることになりました。

 米国NSC(大統領・副大統領・国務長官・防衛長官で構成される)は、各省庁や陸海空軍やCIAなどの枠組みにとらわれずに外交・安全保障政策を取決める文字通りの最高意思決定機関です。日本版NSCとは米国NSCと継続的協議ができるように同等の権限を備えたものとして、米国政府がその設置を要請していたものです。

 2007年の第一次安倍内閣でも設置に動いたのですが、辞任で立ち消えになっていました。後任の福田康夫首相(当時)が撤回していたからです。

 その実務を取り仕切る内閣安全保障局の初代局長には、内閣官房参与でもある谷内(やち)正太郎・元外務事務次官の起用が確定的です。

 そして最後の「特別秘密保護法案」とは、日本版NSCが米国NSCと「同盟国として」継続的協議を行うために、米国の軍事秘密などが外部に漏れないことが不可欠となります。

 要するに、自衛隊が米国と共同で軍事行動をとるためには「集団的自衛権の行使」が合憲でなければならず、その行動を決定する米国NSCと継続協議ができるような権限を備えた「日本版NSC」を設置せねばならず、そのためには「特定秘密保護法案」が絶対に必要となるのです。

 本誌はこの「3点セット」が本来の趣旨で運営されていくならば、必ずしも国益上「排除すべきものではない」と考えます。実際にも最近は対中国、対韓国を巡る米国の態度が「やや日本寄り」になってきたような気もしています。

 最大の問題は、国民にその趣旨をじっくりと説明しながら大所高所から議論を重ね、十分に民意を反映する形で堂々と国会で承認を求めるべきものが、よくわからないうちに大急ぎでコソコソと決められてしまった過程そのものです。

 明らかに主権者である国民が完全に排除されており、国民の代表で構成されている(はず)の国会が機能不全になっているのです。昨年の消費増税でもそうだったのですが、いつの間にか国民が選んだ政党や議員が「ホラー映画のように変身している」のです。

 さらなる問題は、「国益よりも自らの勢力と権益を優先する官僚組織」が、この3点セットを自由自在に拡大解釈・拡大活用し、さらには米国政府の思惑までも利用して「官僚組織にとっての万能の武器」に仕立てあげてしまう恐れがあることです。

 例えば、日本版NSCは外交・安全保障政策の最高意思決定機関となるのですが、実際の運営は官僚が主導する内閣安全保障局が取り仕切ります。首相など時の権力者はいずれ交代するのですが、官僚組織と「3点セットの枠組み」は未来永劫に存続し、いつの間にか「思いもよらない形」になっているかもしれないのです。歴史的には多くの事例があります。

 これこそが「亡国の3点セット」となるのです。国民に趣旨をじっくりと説明せずにコソコソと決めてしまったので、ますますその恐れが強くなります。

 最後に、本誌の記事が「代替案・改善案に乏しい」とのコメントもいただいています。

 あまり理想論ばかりを展開しても意味がないのですが、今後はもっと積極的に実現可能な案を書いていくことにします。


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コメント
外交防衛のため、と言いながら実際は行政府の人間がエンジョイする事になるのでしょうね。
今回の件で気になるのは当事者(論じる者も含めて)が「国家は社会のあらゆる団体とも異なる」という政治学の大原則を理解しているのかと言うことです。
もっと言えば当事者に国家経営の資格があるのかと言うことです。
有権者は まず投票率の低さを
問題にすべきですね・・
無関心では 勝手にしてくれ、好きにしてくれと言ってるような
物じゃないですか?
仮に白票でもブ~イングの意味は有るんですけどね。
なるほど
丁寧に解説していただいて、よくわかりました。
自分で少し考えればわかることなんでしょうが。。。

にしても、どうなるんでしょうかねえ。
まあ、民主も酷かったわけだから自公に票を入れた人の気持ちもわかります、ちょっと振れが大きすぎましたが。
民主と自公。。。 
皮肉ですね、東日本大震災のときもその落ち着いた対応から世界中から称賛されていた真面目な国民が住んでいる国の政治はこんなにも酷いなんて。。。どっちを選んでもどうにもならない。
正にニッチもサッチもいかない状況な訳ですね。

先日シンガポールに行ったらガイドさんがシンガポールの水道は飲めますがフッ素が混入されている、と言っておられました。
表向きは国民の歯を守るとのことですが、人間はフッ素を摂りつづけると性格が従順になっていくそうです。
帰ってきてから調べてみたら過去にも旧西ドイツや旧ソ連がやっていたみたいですね。

日本の水道には、いつの間にやらフッ素が混入されているのかな?(-_-;)
今回の特定秘密保護法案に見られる、日本政府の隠蔽体質は、日露戦争後あたりから顕著になってきたようで、曖昧で表裏の使い分けが上手い、国民性のなせるわざでしょう。

好戦的な親分(米国)に従う、子分(日本)という現在の図式の中では、自ずと日本の進路は決まってしまいます。 世を動かすのは常に夢や理想に欠けた、現実主義者たちであり、だからこそ野党の存在意義があるはずなのに、一部を除いてほとんどが保守派に化けるとは、理解の及ばざるところです。’みんなの党’は昔の’新自由クラブ’の例があり、やっぱりという感じで特に驚きませんが、日本維新の会には恐れ入りました。 H代表は改憲論者と聞いているので、これもやっぱりといった感想ですが、党の設立から国の将来を託せるかも、と見守ってきた者にとっては、驚きを隠せずが正直なところです。

今般の法案により、特高警察が玄関口に現れるような悪夢が、再来しかねないのに、少人数の反対集会くらいしかメディアには映りません。一般市民を代表する意味で、都民の10人に1人がデモに参加し、100万人集会で永田町界隈を埋め尽くすくらいの危機意識を共有する......こんな行動.に値すると考えています。 敢えて言及すれば、官僚の作文をつっかえつっかえ読み上げているらしい、現総理に声なき声を届けるには、これくらいの意思表示が必要でしょう。 さらに’良識の府’参議院が当該法案を簡単に通せば、参議院不要論に拍車がかかるでしょう。

祖国を焦土に変えた日米開戦の責任は、軍部だと断罪しても、それは政府そして国民による開戦であったと同義になります。我々の両父母、祖父母の時代の、有権者たちが投票したのですから。 福島原発事故で世界を震撼させた責任は、結局のところ我々有権者たちにありとなります。(東電は国策会社と言えますから) そして今度は特定秘密法案の成立により、子供たち孫たちに禍根を残そうとしているのも、我々有権者たちの責任になってしまいます。法案成立に加担したメンバーの一人、という我々に押された烙印は死んでも消えません。

前にも書きましたが、もう一度書きます。

゜怒りを忘れた民族は滅亡する。゜
゜人民は自分たちの身の丈に合った政府しか持つ事はできない。゜
コメントへのご対応ありがとうございます。

なにぶん勉強不足なもので、問題点がわかっても「どうすればよいのか」というところまで思慮がめぐらせず、もやもやとした感情がございました。
自ら考えるべき部分までお書きいただくのは不精が過ぎるとも思いましたが、社説的な意味での貴誌の考えを明確にしておくことで自らの理解も深まると思った次第です。

これからも楽しみに拝読させていただきます。
近未来特高がまかりとうる暗い日本国家にしないために
一説には,自由民主党が自民党になり自由が取れたので,国民に自由がなくなったとか?
No1大急ぎでコソコソと決められてしまつた.
No2明らかに主権者である国民が完全に排除されており,No1について,今後この様にコソコソと決めたりすると「国民の逆襲」が始まり,近未来自民党がある時点で次期選挙を待たずして,大陥没におちいる事がある.即ち国民から見放された以前のような立場になり得る.No2について,この法案について,心配事は多くのジャーナリスト達や弁護士協会その他等が大反対していることである.これらの人々が反対することは日本国家の根底を支えている人々であるからなおさら恐ろしい.続有り
特高がまかりとおる暗い日本国にしないために
続,知る権利,取材する権利,超疑惑的スパイ疑義で正直者が罪を着せられる,情報公開法に違反する等その他多々有り,ならばこの問題策として,多くのジャーナリスト会や多くの弁護士会その他等が一部修正した改革法案を作成し,これを元に安倍首相と面談懇親会を開催しその貴重な意見を聞き入れる.(安倍首相は聞く耳を持とう)即ち早期成立は今国会は避け,次期国会期間に通過させる.今国会に通過させようと焦ると必ず恐ろしい国民の逆襲に遭遇するだろう.

特定秘密保護法案
全然問題ないですね!
急いでる様に見えるのは
シナ共産党対策だからじゃないですかね?
戦争ですか・・
戦争は起きても過去の形じゃないでしょうね・・
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