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ボルカー・ルール最終案の採択とその影響

2013年12月11日

ボルカー・ルール最終案の採択とその影響


 NY時間の12月10日午前10時、つまり日本時間ではちょうどこの記事がアップされた11日の午前零時に、ボルカー・ルールの最終案が米国各金融当局で採択されます。

 ボルカー・ルールとは、2008年に発生した世界的な信用危機の再発防止のために2010年7月に成立した米金融規制改革法(ドッド・フランク法)の中心部分で、銀行業務を行う金融機関によるヘッジファンドへの投資や過大な自己勘定取引を規制するものです。

 3年以上も金融当局と金融機関の間で「激しい議論」が続けられたのですが、反対の急先鋒だったJPモルガンで昨年巨額損失が発生し、大勢が決したようです。同時にユーロ圏などの海外からの批判も下火になりました。

 ただ最終案は1000頁もあるようで、その実際の運用を巡ってはこれからも議論が続きそうです。

 最終案を採択する金融当局とは、連邦準備制度理事会(FRB)、通貨監督庁(OCC)、連邦預金保険公社(FDIC)、先物取引委員会(CFTC)、証券取引委員会(SEC)の5つです。

 さて最終案が採択されることは間違いないのですが、必ずしもその全貌が明らかになっていないため、市場には多少の疑心暗鬼があります。

 日本では、金融機関からの与信を制限されるヘッジファドがポジションを縮小しなければならず、ポジションが膨らんでいるはずの「円売り」「日本株買い」が巻き戻されて円高・株安になると懸念されているのですが、これは心配がありません。

 ボルカー・ルールの最終案が採択されたといって、そこから「慌てて」ポジションを縮小しなければならないヘッジファンドはありません。そもそも米銀大手は、とっくに自己勘定でのヘッジファンドへの投資や与信(貸出し)を大幅縮小しています。

 本誌が最も気にしていたのは、日本を含む外国国債への投資制限です。

 もともと米国で銀行業務を行う金融機関が、日本国債に投資していることはほとんどないので、実質的には何も問題はないのですが、もし改めて投資が制限されればそれなりの心理的な悪影響が世界的に広がります。

 つまり低下を続けている日本国債(特に長期国債)利回りが上昇に転じ、日本株にも悪影響が出る可能性があります。

 膨らむ米国の財政赤字をファイナンスするためには世界中の米国国債に対する需要を確保しなければならず、米国以外の国債(日本国債など)への需要を減退させる可能性も考えられるからです。

 米国の金融機関が日本などの外国国債の保有を制限すると、外国国債に対する心理的な悪影響が広がり、米国国債への需要が相対的に拡大するからです。

 しかし直前の予想では、日本などの外国国債への保有制限は行われないようです。

 大げさではなく、これが年内に残されていた日本株式への唯一の懸念材料だったので、当面の懸念材料がなくなったといえます。

 ボルカー・ルールとは関係がないのですが、日本株式へのもう1つの懸念材料として、次回のFOMC(12月17日~18日)で量的緩和が縮小されることがあります。

 確かに米国経済が回復している兆しはあるのですが、かといって「目に見える弊害」がない限りは、わざわざ量的緩和を縮小する必要はありません。

 「目に見える弊害」がないとは、本年5月にバーナンキ議長が量的緩和の縮小をはじめて示唆したころに比べて、インフレの兆しがなく(10月の消費者物価は前年比わずか1.0%の上昇)、中国などの新興国経済に過熱感がなく、資源価格上昇の兆しがないなどです。

 さらに米国10年国債利回りが直近で2.84%と、9月に量的緩和縮小を見送った時点の利回りとほとんど同じです。つまりこれ以上の10年国債利回り上昇は米国経済に明らかなダメージとなるため、量的緩和の縮小に踏み切れないはずです。

 つまり12月にはFRBによる量的緩和の縮小は考えにくく、当面は円安・日本株高が持続することになりそうです。


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