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AIJ投資顧問事件に実刑判決 それと昭和HDの呆れるIR

2013年12月19日

AIJ投資顧問事件に実刑判決 それと昭和HDの呆れるIR


 東京地方裁判所(安東章裁判長)は12月18日、全国17の厚生年金基金から計248億円を騙し取ったとして詐欺と金融商品取引法違反(契約の偽計)で起訴されていたAIJ投資顧問の浅川和彦被告に、求刑通り懲役15年の実刑判決を言い渡しました。

 同時に起訴されていた2名に懲役7年(求刑同8年)、また3名に追徴金157億円(求刑212億円)、それに残余財産の没収6億円を言い渡しました(金額はいずれも概算)。

 注目されていたのは、浅川被告が公判途中から否定に転じた「詐欺」の成立を裁判所がどのように判断するかだったのですが、ほぼ全面的に検察側の主張を認めたようです。

 起訴された「被害額」は248億円(30億円は返金済み)だけですが、実際に消滅させた年金資産は1000億円をはるかにこえています。また判決で没収する6億円は「被害者」に返還される可能性はありますが、追徴金157億円は(仮に浅川被告らが支払えたとしても)被害者には返還されません。

 浅川被告ら2名は即日控訴しました。

 さて今さら「事件」について蒸し返すつもりも、また浅川被告らを擁護するつもりも毛頭ないのですが、判決を聞いて改めて「気がついたこと」があります。

 浅川被告が言い渡された懲役15年の根拠は、詐欺罪と金融商品取引法違反が重課されたものですが、実は詐欺罪も金融商品取引法違反も「それぞれ最高刑罰が懲役10年」となっています。

 浅川被告には詐欺罪の最高刑罰である懲役10年と、金融商品取引法違反(契約の偽計)で懲役5年が重課されたことになります(この逆ではないと思います)。

 つまり浅川被告の判決が確定すれば、金融商品取引法違反(契約の偽計)だけで懲役5年の実刑判決の「判例」ができあがります。いつも書くのですが金融商品取引法違反(特に偽計)は非常に構成要件が甘く、有価証券報告書や金融庁への報告書を提出さえしていれば(普通は提出します)必ず有罪となります。つまり大半が形式犯です。

 過去に証券取引等監視委員会が摘発した金融商品取引法違反(以前は証券取引法違反)は例外なくすべて有罪となっていますが、金融商品取引法違反(あるいは以前の証券取引法違反)だけでは、ライブドアの堀江社長(当時)など「ごく一部の特殊なケース」を除けば「実刑」にはなっていません。

 考え過ぎかもしれませんが、今回の「判例」で今後は金融証券取引法違反だけで「実刑」となるケースが出てくるような気がします。だとするとますます証券市場は「危なくて参加できない市場」になってしまいます。

 先日の特定秘密保護法案でも書いたのですが、法律は一度成立してしまうと、どんどん「判例」が積み重ねられて国民に対する「万能の武器」となってしまうのです。

 話が全く変りますが、昭和HDが「行政訴訟の経過(勝訴)に関するお知らせ」なるIRを、12月16日と18日(本日)の2回に渡って「誇らしげに」出しています。

 この行政訴訟とは平成22年12月3日と同6日付けで提訴していた証券取引等監視委員会と同特別調査官に対する「強制捜査の差押処分の取消請求」のことで、要するに「押収したブツを返してくれ」というだけのものです。

 その「ほんの一部だけ」が本年6月20日に認められており、今回はそれに対する証券取引等監視委員会の控訴が棄却されただけですが、「当社の合法性、当社等の主張の正当性への確信がさらに深まった」となるそうです(12月16日のIRより)。

 そもそもこの「ブツ」とは、平成20年6月の12億円の第三者割当増資の払込み直後に27億円を引き出した「倍返し架空増資!」に対して強制捜査が行われたときに押収されたものですが、これが奇怪なことに事件化しないため、調子に乗った昭和HDが本年6月6日に国家賠償請求訴訟まで起こしていました。他にもウェッジHDや此下益司氏に対する疑惑が「山のように」あるのですが、それらすべてに対する「合法性、正当性への確信もさらに深まった」そうです。

 さらに「証券取引等監視委員会の佐渡委員長に対して、反省と公式謝罪、そして再発防止策の開示を求めます」(12月18日のIRより。一応寄せられたコメントとしていますが自作自演でしょう)。

 証券取引等監視委員会は「万能の武器」をお持ちのはずなので、佐渡委員長におかれましては、いい加減に何とかすべきではないでしょうか?


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コメント
猪瀬辞任は、石原経由で安倍が不起訴を決めたから。
猪瀬辞任は、石原が与党入りし、引き換えに安倍さんと不起訴の方向で粗々話がついたからだろうな。

でも、実際どう転ぶかは世論次第だ。
量的緩和の縮小の予測、また外れましたね
9月に業務停止3ヶ月をくらいながら、金融商品取引業の廃業公告を出したアマデウスアドバイザーズが以下のリリースを出しています。文面昭和ホールディングスと酷似していますね。同じ弁護士がかいているのでしょうか。公告を経て廃業届け出した直後に出していますね。関東財務局の監督検査対象から外れていますのでなにもできない。こんなにこけにされて黙っているとは、舐められたもんですね。

本日、当社は、関東財務局長宛に「検査ミスに関する質問状」を送付しましたのでお知らせいたします。

当社では昨年より金融商品取引業の廃止を計画し、顧客契約を適切に終了することを最優先課題として腐心してまいりました。一方そんな中で、関東財務局による検査結果に基づき本年9月の行政処分に至ったことはすでにご案内のとおりです。 その後、当社内において検査結果に関する事実関係の再調査を行いました結果、以下の事実が判明しましたので質問状を送付した次第です。

1)検査官は一任報酬の検査において、当社が自主的に制定し公表しているルールに基づく期間総額28,778,822円に達する年金特金報酬の割引調整額を一切無視して報酬の過大徴収と結論付けていた。

2)実際にはプラスの投資効果があるにもかかわらず、検査官は運用成績を検査することなく子ファンドに投資しているスキーム図のみで投資経済効果がないものと断定し記載していた。

3)実際には1円も徴収していないにもかかわらず検査官は子ファンドに投資しているスキーム図のみで28,934,201円の過大な一任報酬の徴収があるものと結論付けていた。上記1)と合算すれば、検査結果で指摘する約3千万円の過大報酬は事実無根であり、約2800万円の割引調整が当社の自主的ルールに基づき割引調整されているという事実を見落としている。

4)検査結果の指摘事項2番目の利害相反取引において時系列的な順序や前後関係が欠落した書きぶりとなっている点、損失が生じた運用が顧客のポートフォリオのすべてであるかのような書きぶりとなっている点などから、一部マスコミ等において曲解した報道がなされた。

5)検査官は「証券検査に関する基本指針」を遵守せずに検査を行ったことが原因で、上記のような杜撰な事実誤認の検査結果を招いた。

以上の内容について、当社は関東財務局長に対して事実誤認をミスリードした検査官氏名の通知、事実訂正、謝罪等を要求しています。
餃子の王将の社長が殺された件について、何か情報はありますか?
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