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ビットコイン狂騒曲に潜む「本当の恐ろしさ」 その2

2013年12月25日

ビットコイン狂騒曲に潜む「本当の恐ろしさ」 その2


 昨日の記事に予想以上のコメントをいただきましたので、反映させながらもう少し続けます。

 FRBの量的緩和縮小はどうした?といわれそうですが、全く関係のない記事ではありません。量的緩和縮小については年内に必ず書きますので今しばらくお待ちください。

 まずビットコインとペイパルはどう違うのか?とのコメントをいただきました。ペイパルにしても他のウェブマネーにしてもネット上の資金決済に利便性を付加するものであり、「通貨に代わるもの」が新たに発行されているわけではありません。

 つまり現在の通貨制度を侵害するのではなく、そのなかに「存在」しています。同じように現在の経済活動は(投資活動も含めて)、すべて現在の通貨制度のなかで「付加価値」を積み上げるためのものです。

 それに対してビットコインとは、現在の通貨制度とは全く別に「新しい通貨制度」を創造してしまうものです。日本でいえば「経済活動で円を稼ぐ」と「円に代わる(円と同じように通用する)通貨を作り出して稼ぐ」の違いです。

 まあその中間くらいに「精巧な円の偽札を印刷して稼ぐ」があるのでしょうね。

 次にビットコインの理論はコメントにもいただいているように、京都大学数理解析研究所の望月新一教授が書かれたABC予想を証明する論文に類似しているため、望月教授がビットコインの発明者であるナカモト・サトシではないかともいわれています。

 これはわかりません。ただ1つだけはっきりといえることは、ビットコインの「発明者」と「事業としての創業者」は違うはずです。つまり「事業として創業者」は深い金融に対する知識と洞察力を備えていると思われるからです。

 全くの余談ですが、オプション理論のブラック・ショールズ・モデルは、やはり京都大学の伊藤清教授が1942年に発表された確率微分方程式(「伊藤の定理」)が基礎になっています。また1990年代の金融工学の発展は、NASAの予算縮小であぶれた数学者と、この「伊藤の定理」のお蔭といわれていますが、伊藤教授ご自身は金融に全くご興味がなかったそうです。残念ながら2008年にお亡くなりになっています。

 つまりいくら優れた理論でも、それが事業として成功するかは、全く別問題なのです。

 そして依然として、その「創業者」の正体がはっきりしません。心当たりはあるのですが、推測で書くことはやめておきます。

 それからビットコインについて、日々の時系列データがわかるサイトはどこか?とのコメントもいただいているのですが、実は本誌も探しています。どなたかご存知の方は教えてください。

 またビットコインは発行に上限を決めているが、需要の拡大を期待しているのであれば不自然で、最初から値上がり益を享受しようとしていたのではないか?ともコメントもいただいていますが、これはその通りです。

 そもそもビットコインのような「新たな通貨を発行できる」なら、「じゃんじゃん発行してどんどん使う」のと「できるだけ我慢して価値を上げる」では、どちらの利益が大きいのでしょう?

 もちろん後者です。

 これはビットコインに限らず、現在の国際通貨制度でも同じような議論となります。

 戦後の国際通貨体制であるブレトン・ウッズ体制とは「金・ドル本位制」だったのですが、1971年8月に当時のニクソン大統領が金とドルの交換を停止したため、そこからドルが世界で唯一の基軸通貨となりました。

 ところがドルを発行するFRBは(米国政府の意向だと思いますが)、つい5年前までは発行するドルの量を絞り気味にして、ドルの基軸通貨としての信用力を維持してきました。

 それが変化したのは、リーマンショック後の「わずか5年間」だけです。その間にFRBの総資産は4倍以上になりました。ドルの歴史からすれば「この5年間が異常」だったともいえます。

 そろそろ「元に戻そう」と考えてもおかしくないはずです。それが先日の量的緩和を縮小した理由だったとはいいませんが、ビットコイン狂騒曲と同時に「国際通貨制度の良識」が復活しているのかもしれません。

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コメント
http://bitcoinwisdom.com/
リアルタイムチャートならここで見れますが。
これは
社会への批評性を持ったデザインとも、
アートとも捉えられるのでは?
最近MIT助教に就任したスプツニコさんが
ロンドンのRCAで学んでいたクリティカルデザインと言う分野があるのでうが、ビットコインは正に現実世界への新たなシステムを提示するクリティカルなデザインに感じます。
発行体がないということは発行体格付もないわけですから、金融機関がビットコイン建ての債券を保有すると自己資本規制により多大なリスクウェイトが課されるはずですが、つまりビットコイン建てで融資を受けるのは非常に困難ということになり、そもそも金融機関を介さない事を売りにしてますしね。また、比較できる経済や政治が存在しないので蓋然性の高い既存通貨との交換レートが算出できない、交換レートは市場参加者の期待で形成。
金融インフラがない。変動リスクがでかい。このまま通貨として普及するとは考え難いですね、裏付けがないのは致命的だと思う。
http://jp.investing.com/currencies/btc-usd
ここでも、見ることが出来ます。
ほんの数年前に円天市場とかありましたねえ
シロ
http://bitcoin-japan.info/markets/
ここでも見られます。
価値が不安定なビットコイン建てでは、金融機関は言うに及ばず、一般的にも債権債務契約をするのは無理なのではないでしょうか。
世界中すべての金融機関にとって自国通貨でもない格付けもないビットコイン建てによる貸し付けそのものがハイリスクでしょうし、既存の通貨を貸し付ける場合でも債務者の個人や企業がビットコインで収入を得ていたら同様のリスクが伴うはずですね、つまりビットコインで収入を得ている主体は事ある毎にリスクプレミアムを要求されるはずです。今はマーケットが上昇トレンドに浮かれていてリスクなど軽視されがちですが表面化するのは時間の問題ではないですか?決済コストが掛からない利点など吹き飛ぶと思う。
通貨ではなく決済手段
ビットコインはレートの変動が目立つので通貨としての側面ばかり注目されますが
決済手段としての側面を見ると究極的に合理的と言える媒体だと思います。

本質的に金本位制と同じなので通貨としてはいつかは成立しなくなるでしょう
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