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日銀の次期審議委員の顔ぶれから感じること

2017年04月20日

日銀の次期審議委員の顔ぶれから感じること


 政府は昨日(4月18日)、日銀の金融政策決定会合に投票権のある審議委員のうち、7月23日に任期切れとなる佐藤委員と木内委員の後任として、三菱UFJリサーチ&コンサルティング経済政策部上席主任研究員の片岡剛士氏と三菱東京UFJ銀行取締役(元副頭取)の鈴木人司氏を充てる人事案を国会に提示しました。

 国会(衆参両議員)の同意が必要ですが、両院とも自民、公明の与党が過半数を占めるため問題がなさそうで、9月20~21日の政策決定会合から出席することになります。

 日銀の金融政策は、年8回開催される(2015年までは年14回も開催されていた)金融政策決定会合において、日銀総裁、副総裁(2名)、審議委員(6名)の計9名による多数決で決められます。

 過去には2016年1月29日の政策決定会合で、マイナス金利導入を巡る評決が5:4となったことがありますが、そこで反対した白井委員と石田委員はすでに退任しており、今回は佐藤委員と木内委員が退任するため全員がいなくなります。

 佐藤委員はモルガン・スタンレーMUFG証券出身、木内委員は野村證券金融経済研究所出身で、ともに債券市場など金融市場の現場感覚があるはずで「異次元」量的緩和を含む大規模な金融緩和に反対することも多かったのですが、今回揃って退任となります。

 またこれで6名の審議委員はすべて黒田総裁就任後(つまり第2次安倍政権発足後)に就任していることになります。

 さて審議委員に就任予定の片岡剛士氏は、明らかに「アベノミクス擁護派」で、大規模な金融緩和を推進する「リフレ派」と言われています。もう1人の鈴木氏の方はよくわかりませんが、結果的に金融政策決定会合は「リフレ派」がさらに優勢となります。

 本誌は日銀総裁や副総裁を含む投票メンバー全員がそれぞれの専門知識をもとに徹底的に議論を戦わせ、その時点における最良の金融政策を必死になって模索するわけではなく、最終的には(少数の反対があるとしても)事務局が作成する原案通りに粛々と決定してしまうものと思っています。

 しかし3月28日付け「どうなるポスト黒田日銀総裁」にも書いたように、黒田総裁の就任直後の2013年4月に導入された「異次元」量的緩和以来、金融政策の主導権を握っていた「リフレ派」はすでに勢いを失い、日銀主流派が主導権を取り戻しているはずです。

 そこで2016年9月の「総括的な検証」で、長期金利(10年国債利回り)をゼロ近辺に釘づけるイールドカーブ・コントロールが加わり、実質的な量的緩和縮小が始まっていると考えます。

 日本ではいつまでたっても経済活動が本格的に活発化しないため、放っておいても10年国債に限らず国債全体の利回り水準は低下するため、結果的に国債買入れ額が減少するからです。本日(4月19日)の10年国債利回りは5か月ぶりにゼロまで低下しています。

 本誌は常に、景気回復でも物価上昇でも効果が期待できないだけでなく、将来的には弊害も多い現在の量的緩和など「さっさ」と半分くらいにしてしまうべきと考えていますが、そのためにイールドカーブ・コントロールという「もっとわかりにくい」理屈を持ち出したことにも不安を感じています。

 そこは4月12日付け「実は日銀の量的緩和はすでに縮小し始めている」にも書いているので繰り返しませんが、そこへ今回の審議委員の指名で金融政策決定会合がまた「リフレ派が優勢」となることは違和感があります。

 新たな審議委員は政府(つまり官邸)が決めるため、少なくとも安倍首相は4年も量的緩和を続けて消費税が8%になった以外は何の効果もない「リフレ派」および陰で操る旧大蔵省をあまり信用していなかったはずですが、「何らかの反撃」が加わったことになります。

 黒田総裁自身も含む旧大蔵省は、日銀総裁の椅子を取り戻すために掲げた政策がたまたま「リフレ派」だったというだけですが、やはりその「リフレ派」が間違いでしたとなると次期日銀総裁の椅子が危うくなるため、もう一度「リフレ派」で戦わざるを得ないとなったような気がします。

 そうしているうちに聞こえてきた次期日銀総裁の有力候補は、旧大蔵官僚で「リフレ派」との触れ込みで内閣参与となり、見事にスイス大使兼欧州金融経済特命大使(聞きなれないポストですが)に大出世している本田悦朗氏だそうです。

 どうもポスト黒田は、まだ本田氏であるかどうかはわかりませんが再び旧大蔵官僚となり、掲げる金融政策は「相変わらずのリフレ派」となりそうな予感がしています。


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■闇株的見方 » 経済 | 2017.04.20
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